ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

神田橋條治『精神科診断面接のコツ』1984・岩崎学術出版社-精神科面接の名著に学ぶ

2024年05月11日 | 精神科臨床に学ぶ

 2020年5月のブログです

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 神田橋條治さんの『精神科診断面接のコツ』(1984・岩崎学術出版社)を久しぶりに読みました。

 この有名な精神科臨床の面接の名著、じーじも家裁調査官の時代から何度も読んで参考にさせていただいていますが、感想文は初めてです。

 このまるで宝箱のような本を再読して、今の力量で何をどう感じるのか、自分で確かめてみたいと思いました。

 あいかわらず、付箋とアンダーラインだらけで、少し整理をしながら読み進めました。

 あくまでも、今の時点で印象に残ったことを一つ,二つ。

 一つめは、読んでいて思い出したのですが、ごく近い未来を予測することの大切さ。

 その後、この予測と結果を比較することで、面接や診断の善し悪しがわかり、面接の技術が上がるといいます。頷けます。

 二つめは、いつでも、あと5分で面接を終われるような面接をせよ、ということ。

 これは、面接が即治療であるということからくる必然性のように思われます。

 また、いま、ここから、を大切にして、そこからだんだんと話を広げる、ということとも関係してくるようです。

 三つめは、「なぜ」という問いをできるだけ使わないことの大切さ。

 「なぜ」を使わないだけで、質問がより丁寧で細やかなものになる、といいます。

 これはなかなか難しいことですが、記憶に誤りがなければ、成田義弘さんなども、「なぜ」よりも「どのように」などの言葉を勧めていた記憶があります。

 その他、メモなしで面接をして、記録を書き、後で録音と比べる方法や仮説をたくさん考えることなどは、調査官時代の指導官だった山野保さんからも教わったことがあり、懐かしい修行方法でした。

 さらに、勉強をしていこうと思います。    (2020.5 記)

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 2022年2月の追記です

 再読をしていたら、神田橋さんが、面接室外での面接について、述べられているところに気づきました。

 その場合、医師と患者さんが横並びになって、前方にぼんやり目を向けていると、患者さんの不安が起こりにくい、とあります。

 じーじの公園カウンセリングも、それなりに理にかなっているんだなあ、と改めて思いました。     (2022.  2 記)

 

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立松和平『歓びの知床』1999・地球丸-和平さんの知床・知布泊での丸太小屋生活です

2024年05月11日 | 北海道を読む

 2020年5月のブログです

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 立松和平さんの『歓びの知床』(1999・地球丸)を久しぶりに読みました。

 面白かったです。

 今年の連休はコロナで県外に出かけられないので(県境で検問をしているニュースまでありました)、もっぱら読書三昧の生活。

 もっとも、じーじの場合、車中泊で旅行をしていても、人の少ないところで、景色を眺めたり、本を読んだり、ビールを呑んだりしているだけなので、家にいるのと同じなんですけどね…。

 さて、本書、和平さんの知床・知布泊での丸太小屋生活を綴っています。

 以前、この本を読んで、じーじも知床に小さいのでいいので、丸太小屋がほしいな、と思ったことがあったくらいで、あこがれの生活です。

 山荘のまわりでソバを育て、しまいには地元の友人たちと農業会社まで作ってしまいます。

 さらに、別の友人に頼まれて、毘沙門堂まで建立、和平さんはすごいです。

 しかし、メインはやはり知床の大自然。

 クマさんやシカさんとの生活がうらやましいです。

 シカさんは和平さんのソバを食べちゃったりしますが、さすがは和平さん、人間がシカさんのところにお邪魔をしているのだから、少しくらいはシカたない(?)、とおっしゃいます(オヤジギャグです、すみません)。やっぱり大物です。

 クマさんとのお話もたくさん。

 ニコルさんのクマさんとの体験談や大瀬さんという知床で有名な漁師さんのお話も出てきて、本当にうらやましいです。

 本を読んでいるだけで、シカさんやクマさんと一緒に生活をしているような、しあわせな気分になってしまします。

 このあと、おいしいビールを呑めば、これはこれで幸せなひと時が過ごせそうです。    (2020.5 記)

    

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