ニューヨーク植物園の森は、季節感こそ違うものの、ミシガン大学植物園と同様に、私を十分に寛がせてくれました。
冬が終わり、春の気配が漂う森と小川は、ちょっと寂しいくらいの佇まいの中で、明日の命の気配を見せてくれます。
咲き極まった花よりも、明日咲く花に寛ぎを感じるのは、薄明かりの中で静かに夜明を待つ心持ちに似ています。
美しいものを沢山見せてもらったお陰で、開き始める蕾に花を見ることができるのかもしれません。
山吹が、明るい緑の葉に、岩清水のように清んだ黄色い花を咲かせていました。
さて、そろそろ時間が残り少なくなってきました。
温室ではラン展をやっていたはずです。
足早に温室へと向かいました。
中に入ると、温室独特の肌にまとう熱気を感じました。
しかし、残念なことに、受付で三脚は使わないで下さいと言われてしまいました。
もっともなお話です。
何しろ、こんなに人が居る温室は初めて経験しました。
こんな状態では三脚を使いたくても、使いようがありません。
折角の花も、名前を確認しながらゆっくり見ている雰囲気ではありませんでした。
立ち止まると怒られそうです。
デジカメで証拠写真を写して、早々に退散することに致しました。
温室の外に出て、正直ホットしました。
それにしてもこんなに客が入ったら植物園の経営は本当に楽でしょうね。
温室の周りでは、桜の下にも人々が集っていました。
広い植物園は一通り巡り終えました。
花を丁寧に撮影するような被写体には数多く出会えませんでしたが、私は十分に満ち足りた思いで、ニューヨーク植物園を退園することに致しました。
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