7月3日未明、裏手の駐車場から猫の鳴き声がひっきりなしに聞こえてきます。
行ってみると、声の大きさに反して、あまりに小さい子猫だったので驚きましたが、
とりあえず、ごはんとお水を置いて引き返しました。
日が昇るとその日は真夏日になり、暑い上にカラスにごはんを食べられてしまっていました。
このままでは死んでしまうのではないかと危機感をつのらせた私たちは、保護することにしたのです。
主人が様子を見に行くと駐車場に隣接した民家の庭にいて、足に怪我を負っていることもわかりました。
結局、計3軒のお宅の協力を得て(3軒に渡って逃げ惑ったため)捕獲しました。
怪我をしているとは思えないほどの俊敏な動きと、かわいいお顔に似合わない凶暴さで
成人男性3人を翻弄し、内一名に噛み付き、流血騒ぎの末の大捕り物となりました。
その日が日曜日でご主人が在宅していたため、男手を確保できたこと、
猫、犬を飼っているお宅だったため、非常に協力的だったこと、
様々な要素が重なり、捕獲に至ったことを思い合わせると運命を感じてしまうのでした。
その後、動物病院に直行し、怪我の治療とノミ駆除の薬を塗布しました。
その時の桃ちゃんのおとなしさときたら、捕獲大作戦の時とはまるで別人でした。
あの時の暴れぶりを知る私たちとしては納得できないものがあり、
しきりに先生にその凶暴さを訴えるというあまり意味のないことをしていたのでした。
ちなみに、桃ちゃんという名前は、毛色が黄桃の色に似ているからと私の独断で決めました。
お薬の袋に早速、桃ちゃんと書いてあったのを見て喜ぶ私を尻目に、
主人は「桃はピンク色なのではないのか」と、いささか不満げでありました。