兵庫県庁の屋上のレストランから見た六甲山系、昼前の時間に寄って見た。食堂のおばちゃんが入れてくれる100円コーヒーを一杯。六甲山を見ながら二つのことを思い出した。
ひとつは読売テレビの11PMをやっていた頃、司会で作家の藤本義一さんの別荘に行って一泊して打ち合わせをやったこと。別荘が六甲山にあった。藤本さんは交流しながら番組を作る人で全国のディレクターを集めて酒を呑んだり、卓球したりして年間の番組企画を一緒に練ってくれた。わたしの民放時代で一番勉強させていただいた大先輩だ。
もうひとつこの麓の灘の造り酒屋の若旦那を思い出す。震災で蔵もやられて再興に大変な時代が続いた。あるきっかけで酒造りのプロセスを表現するCMを作る事になった。ここの酒は本物で麹を作るところから撮影し酒ができる全プロセスを映像化した。若旦那も住民ディレクターになりビデオカメラを買って日頃は撮影した。大阪の民放にも興味を持たれてそのCMがそのまま放送されたと聞いたがこのCMは今現在は東峰村ですすめている村民CMの一環だ。
その前は東京杉並区で発案した二人三脚CMにも通じる。住民メディア、住民コンテンツによる地域づくりもやっとCM段階に入ってきた。地域のPR、大きな意味での広報のトップランナーはやはりCMだ。情報化時代は素人には便利だが本物を打ち出す企画力は逆に簡単ではない。伝えたいことのエッセンスを凝縮する表現力と人肌の温もり、人柄がポイントだ。全国の住民みんなで力をつけながら映像やメディアを実戦で活かすには長い長い時間をかける必要があったがやっとその時代を迎え、今からが総合的なプロデュースができる住民ディレクターのネットワークの出番だ。田舎も都会も無い時代が日本でもはじまりつつある。
@兵庫県庁屋上から六甲山系の眺め