乳がん多発骨転移・多発肝転移ステージ4です!のぴりぃのボチボチ日記

S43年生。H24年右乳房温存手術、翌年多発骨転移、H28年多発肝転移。治療のことや日常をつづります。前を向いて。

『妹は3歳、村にお医者さんがいてくれたなら』を読んで

2013-12-06 17:41:32 | 日記
毎月「国境なき医師団」に、ほんの少しですが寄付をさせていただいています。
そのニュースレターで知った『妹は3歳、村にお医者さんがいてくれたなら』を購入。
来年から中学生になる子と大学生になる子に読ませようと思って買ったのですが、まずは私が読みました。

その本には、実際に「国境なき医師団」で活動されている医師や看護師や臨床心理士などのスタッフの取り組みが、読みやすいコトバで書かれています。

日本に住んでいたら想像も出来ないような劣悪な環境の地域に生きる人々。
特定の地域にだけ流行する感染症。
富める国の基準で決められる薬価。貧しい人々がなかなか受けられない医療。

厳しい状況の中、そこに暮らす命のために一生懸命に活動する「国境なき医師団」スタッフの想いと、これからの希望。

ぜひぜひ、若い方々に読んでいただきたい。
若くない方々にも、ぜひ。

もちろん、ウチの子どもらに読ませます。

もう1冊買って、中学校の図書室に寄贈しようかとも思っています。

読んでいただき、ありがとうございます。

嫌な患者になろうと思います。

2013-12-06 12:47:58 | 日記
最近ずっと考えていること。

私は、乳がん検診を毎年キチンと受けていました。
自己検診も、実行していました。

小さな小さなシコリを見つけて、乳腺専門の医療機関(クリニック)を受診しました。
良性の腫瘍の診断後も経過観察で受診していました。

良性だった腫瘍が癌化したと分かって、手術を前提に大きな病院に移りました。
そこで、ステージ1だと診断され、手術と治療を受けました。
その時、私は「既に全身のどこかに転移していないか検査して欲しい」とお願いしましたが、大きな病院の主治医は骨シンチもPETも検査してくれませんでした。
マンモグラフィと乳房の超音波と胸部のMRIを乳房中心に撮っただけでした。

今、思うのです。
この時、骨シンチをやっていたら、この時点で既に転移があるって分かっていたのではないか?!と。
そうしたら、この後の治療が違ってきて、こんなに骨転移が進まなかったんじゃないかと。

ホルモン感受性の腫瘍だったので、ホルモン療法になりましたが、副作用が強く出てしまいました。

その時、主治医は「ステージ1だから、ホルモン療法やってもやらなくても、あまり大差ない」というような説明を私にして、無治療を選択しました。

結果、翌年には多発骨転移の診断。
ステージ4。

手術直後の時点で“ステージ4”だったなら、その後に副作用が強くでた時、主治医は無治療を選んだのだろうか?
もっと他の治療をして、転移が進むのを止められたんじゃないだろうか?

悔しい。
後悔。
あの時、「エビデンスが云々~」って主治医が言った時、それでも食い下がって“全身、検査してくださいっ!”って叫べば良かった。
どうしてあの時、ものわかりの良い患者を演じてしまったんだろう?

医療の現場を知っている。
スタッフの大変さを知っている。
治療方法と採算性と手順とマニュアルと…いろんな事情があることを知っている。
もちろん、EBMを知っている。

だから、あの時、黙ってしまったのかな?

私には、家族がいる。
幼いチビを含めて3人の子どもがいる。
すぐに死ぬのは、子ども達にも夫にも申し訳ない。

病院や主治医の事情より、私は私自身の事情が大切なはず。
私の人生を大切にしなきゃいけないはず。
だって、私は私の人生をかけて受診して治療してるんだから。

お医者サマにお願いします。

EBMは大切かもしれないけれど、それだけじゃなくて…それよりも、患者さんの人生を考えて日々の治療に携わってあげてください。

病気や治療に詳しくない患者さんもいるはず。
目の前の患者さんに必要な情報をキチンと提供してください。
患者さんに分かるように、伝えてください。

また、患者さんの質問には、答えてください。
患者さんの分かるコトバで伝えてください。

患者さんの希望を聴いてください。
希望された中で、出来ることと出来ないことを説明してあげてください。
そして、可能な検査や治療ならば、希望を叶えてあげてください。

患者さんが患者さん自身の人生を、後悔せず生きられるように。
命の灯が消えるその時を、患者さん本人も家族も後悔少なく迎えられるように。

お医者サマだけでの対応が不十分ならば、看護師さんやソーシャルワーカーさんなどのスタッフの方々を活用して、患者さんにより良い治療が提供できるように工夫してください。

お医者サマ、ちゃんと患者さんを見てから、病気を診てください。

私は もう、ものわかりの良い患者の仮面は捨てて、ものわかりの悪い 嫌な患者になろうと思います。
…でも、診察室で主治医に会うと、諦めと失望の思いが湧いてきてしまって、また、言いたいことも言えないかもしれません。

そんな時は、夫が一緒に来てくれる時は夫を頼りにして、頑張る。
夫が来られないときは、緩和ケアチームスタッフに相談かな。

自分の人生。自分の治療。
これからは悔いなく いきたいです。

読んでいただき、ありがとうございます。