ババが元素を制御することを示す2つの事例を挙げて、本章を締めくくることにする。(1)かつてシルディで酷い嵐の晩があった。空は厚くて黒い雲で覆われていた。猛烈な風が吹き始め、雲がうなりを上げ、稲妻が走り、土砂降りの雨が降り始めた。わずかの間に、全土が水で溢れてしまった。鳥も家畜も人間も、全ての生き物が恐れおののき、マスジッドへ避難しに集まってきた。シルディには土地の神々がいたが、誰もそちらへ助けを求めには行かなかった。
そこで彼らは、彼らの神であり、彼らの信仰を好み、嵐をとりなし鎮めてくれるババに祈った。ババは非常に心を動かされた。彼は出てきてマスジッドの端に立ち、轟くような大声で嵐に向かって叫んだ。「止まれ。猛威を振るうのを辞めて鎮まれ!」数分のうちに、雨は静まり、風は吹くのを止め、嵐は収まった。それから空には月が昇り、人々は喜んで家に帰ったのである。(2)別の時、正午頃にドゥーニの火が明るく燃え始め、その炎は上の垂木にまで届きそうになった。
マスジッドに座っていた人々はどうしてよいか分かなかった。彼らは水を掛けてくれるようババに頼むことができず、炎を鎮める術がなかった。だがババは起きていることを察知した。彼はサトカ(短い棒)を取り上げ、正面の支柱に打ち付けながら言った。「落ち着いて、鎮まりなさい」サトカを打ち付けるたびに、炎は鎮まり、数分のうちにドゥーニはいつものように穏やかになったのだった。
これが神の化身である私たちのサイである。彼はその前にひれ伏し、全てを委ねる者を誰でも祝福する。信仰を持って本章の物語を毎日読む人は、すぐにあらゆる惨事を逃れることができる。それだけでなく、常にサイに心を置き信仰する者はすぐに神のビジョンを得て、望みは満たされ、欲望のない究極の状態になって、至福を得ることができるのである。アーメン!