米国務省が韓国に懸念「報道の自由を制限」 人権報告書で産経前ソウル支局長の起訴に言及
2015.06.26zakzaka
米国務省が、韓国の「言論の自由」に重大な懸念を示した。
25日に公表した「2014年版の国別人権報告書」で、朴槿恵(パク・クネ)大統領に関するコラムをめぐり、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長を情報通信網法における名誉毀損(きそん)で在宅起訴した問題に言及し、「厳格な名誉毀損に関する法律が報道の自由を制限している」と指摘したのだ。
注目の報告書は、ソウル中央地検が昨年10月、旅客船「セウォル号」沈没事故に絡み、朴氏の名誉を毀損したとして加藤前支局長を起訴したことや、加藤前支局長のコラムを翻訳してウェブサイトに掲載した韓国人記者の関係先が捜索を受けたことを紹介している。
また、加藤前支局長が有罪判決を受けた場合には最高7年の懲役刑を受ける可能性があると指摘。新聞報道をもとに、情報通信網法によって昨年9月までに1274人が起訴され、121人が懲役刑を受けたとしている。13年の58人から倍増しているという。
こうした状況をもとに、報告書は名誉毀損に関連する法律を政治的な問題に適用している韓国政府の姿勢を問題視。国連の見解を引用する形で、「事実や、公益に合致する発言への名誉毀損訴訟が政府を批判した個人に対して使われている」ことへの懸念を表明している。