今年も苦難の文大統領 支持率過去最低、野党から「弾劾」の声も 「思惑がバレバレ」元大統領2人の恩赦で人気回復か (1/2ページ)“迷走”する韓国・文政権
- <iframe frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe>文大統領にとっても正念場の2021年が始まった(AP)
韓国の世論調査会社、リアルメーターが3日に発表した文大統領の支持率は34・1%、不支持率は61・7%だった。支持率は就任後最低で、不支持率が60%を超えるのも初めての事態だ。
文政権は尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長を停職2カ月の懲戒処分としたが、裁判所は執行停止を命じる決定を下し、尹氏は職務復帰した。元判事で野党「国民の力」の金起ヒョン(キム・ギヒョン)議員はフェイスブックに「(裁判所の判決は)文大統領に対する弾劾決定と言っても過言ではない」と投稿した。
新型コロナウイルス対策をめぐっても、感染の再拡大やワクチン確保の遅れなど文政権の失策が目立つ。元野党議員は文政権のコロナ対応について「(沈没した旅客船)セウォル号の船長と何が違うのか」と批判した。
文大統領も韓国の歴代大統領と同じ道をたどるのか。龍谷大の李相哲教授は「国会で野党の議席は3分の1ほどであるため、文氏を弾劾するというのは現実的ではない」との見方を示す。
検察との対立については、検察に代わって高位公職者に対する捜査権を行使する機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」の設置を決めた。「文氏には原発の廃炉に向けて圧力をかけた疑惑などがあるが、公捜処には捜査権限が付与され、さらに検察の動向によっては国会が尹氏を弾劾するという可能性もあるため、疑惑を追及することは難しくなるだろう」と李教授は指摘した。
とはいえ、支持率の下落が続くと次期大統領選への影響は避けられない。保守系の大統領が誕生すると、文大統領の立場も安泰ではなくなる。
今月1日には、与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表が、収賄罪などで実刑判決を受けて収監中の朴槿恵(パク・クネ)前大統領と、李明博(イ・ミョンバク)元大統領に対する恩赦を「文氏に進言する」との考えを明らかにした。前出の李教授は「恩赦を話題にすることで与党に対する批判を免れたいという思惑はバレバレだ」と推察するが、これで人気低迷に歯止めはかかるのか。