中心がズレたのだから
ピントが合うはずもなく
ぼやけたままの輪郭に
好みの配置で納得させる
曖昧な見方に正誤を問われ
すべての扉をノックする
開かない扉はスルーして
選んだ場所で立ち止まる
鼓動の大きさに戸惑いながら
手にする重さに怯えながら
開けられるだろうか
開けてもいいのだろうか
贅沢すぎる孤独の中でも
無になることは無いのだから
外の熱気を遮断して
安らぐ温度をキープして
思い出すのが嫌ならば
記憶をひとつ片づける
別の回路に繋ぎ合わせて
背景まで書き換える
夜の涙で目が覚めて
理由が分からず寂しくても
少し遅れた朝の空も
黙って一緒に泣いていた
知ってる所が好きしかなくても
それは自分側の気持ちだから
思っていたのと違う部分や
目の前の本当に
気付いてしまった時は
自分で修正修復するしかない
年月で沁み付いた想いでも
はね返す能力と信じる強さが
少しずつ直してくれる
繰り返しながら心に宿る
押し付けられるのが嫌いなら
押し付けるのも嫌なはず
ひとりになれたら
向き合うのは自分なのだから
好きにも種類はいろいろあって
五感ごとに分けていったら
それこそ数えきれないほど
だから惹かれるままに
小さなしあわせを選んでいた
大切なモノには大きさと重さがあって
ひとり分の心の中に収めるには
許容量の最大値がある
だから先着順の運命の元
離すものかと奇跡にすがった
ひとりにひとつの心の内側
見ているそばから
感じてるそばから
想いは種類も大きさも重さも変わる
上澄みを漂うには
上を見なくてはいけない
澱みをおこさないよう
もがいてはならない
空を吸って空に返す
気持ちは澄んでいくのだろうか
沈みそうで沈まない
ひたひたの温もりは
透明のままではいられない
沈んだ濁りが耐えている限り
寄りかかりすぎて
真ん中がゆらゆらとこぼれていく
時の流れが聴こえるように
心の声に耳を澄ます
ざわざわともまれながら
真ん中は見つかるだろうか