風の音が哀しすぎて窓を閉めた
昼間のあたたかさを連れ去るように
夕方になったばかりの空を染めて
ヒューヒューとなきながら窓を揺らす
飛び越えた季節に追い立てられて
迷っているのだろうか
ザワザワと落ち着かない空気が
胸の奥まで入ってきて
透明な深さの距離を
確かめているのだろうか
おとなのままで
こどもみたいに
笑ったり泣いたり
この場所で
今だけなら
許される感情
もっと広く目を向けて
もっとまわりの声を聴いて
この場所が小さすぎて
たった一歩が踏み出せない
まんまるな心は
光があたれば影も出来る
どちらを向いても
どこから見ても
同じ色とは限らない
地道にコツコツ
お金を貯める
体力をつける
見える世界が広がれば
見られる自分も増えてくる
人の目を気にする
相手の評価が気になる
自分の周りを読み解けば
自身も賢くなれるだろうか
はぐれないようジタバタして
自分の居場所をつくる
地道にコツコツ
成長する
心も身だしなみを整えながら
寒さに縮こまってしまうのは
心も同じ
大海原を想像することも
出来なくて
夜空の広さを見上げる事もない
約束が多すぎて
順番がつけられない
期限を取るか大切さを取るか
密度と大きさが比べられないとき
縮こまる心と体の
求める広さと思いの深さをはかる
立ち上がれるなら空も近い
飛び込めるなら心も深い
不機嫌なやさしさは相手には伝わらない
やさしいつもりで言葉を選んでも
体温には届かない
心の温度がそのまま伝わり
言葉がバラバラになる
きれいに並び変えても
デコボコに見えてしまう
本来の意味が方向を変えて
しらけた闇に吸い込まれていった
取り返しのつかない後悔が
心に重くのしかかっても
とりあえず
奥深く沈めて上澄みの静けさを待つ