愛詩tel by shig

プロカメラマン、詩人、小説家
shig による
写真、詩、小説、エッセイ、料理、政治、経済etc..

天国のビーチ

2018年04月01日 16時35分14秒 | 写真詩

君のたっての願いで 休暇を取って南の島にやって来た

 

サイパンのそばの小さな島

 

小さなホテルに着くなり 君はわっとばかりに前のビーチに飛び出した

 

そして裸足になり 波打ち際に立った

 

そこで君に何かが起こった

 

凍り付いてしまったのだ

 

綺麗 とひとこと


そして涙をぽとぽと落とし始めた

 

確かに彼女が見ていた波打ち際は美しく

 

とても細かい白砂をエメラルド色の小さな波が押し寄せていた

  

どうしたの

  

返事をしない

  

ねえ どうしたって言うんだい

  

私ね 心が汚れてるの ここに来たらその汚れが洗われると思ったんだけど

 

だめなの 逆に汚れがどんどん満ちあふれてくるの

  

君はもう涙でくしゃくしゃ

 

僕は君を抱きしめた

 

強く

 

いいよ 満ちあふれさせればいい

 

僕がすべて受け入れてやる

  

それがあなたを裏切った過去でも?

 

うん

 

ひとは純粋なままではいられないんだ

 

心が汚れたことに罪の意識を持ち

 

それをどんどんためていったら いつか破綻する

 

君は君でいいじゃないか

 

僕らはビーチをあとにした

 

もう一度振り返ってみると

 

天国の波打ち際は何一つ変わることなく

 

真白い砂にエメラルド色の波を受けていた

 

 

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