「名もなき人」
名もなき人たちが
生き抜くこの世は
なんと
愚かで
素晴らしいものだろう
名もなき私は
いつも生きることに
窮々として
食べることと
寝ることと
人から愛されることと
他人から
うらやましがられることを
無上の喜びとする
名もなき私は
いつも
楽な方へ
楽な方へ
転がっていく
まるで
坂の上から
転がる石ころのようなもの
名もなき私は
生きることが
どんなに素晴らしく
大変で
過酷かを知らない
のほほんと過ごしてしまい
いつのまにか
棺桶に片足突っ込んでしまった
名もなき私は
いつものように
むくりと
起きだして
あくびの一つも
しながら
ぽりぽりと
首をかくのが
精一杯なのさ
いつもはコーヒーなんだが
お茶ですよと
言われれば
はいはいと
喜んで飲んでしまうような
そんな
名もなき私
名も無き人々は
それでも
毎日を生き抜いてゆく
ああ
愚かで
素晴らしい
名もなき人の
人生よ
名もなき人たちが
生き抜くこの世は
なんと
愚かで
素晴らしいものだろう
名もなき私は
いつも生きることに
窮々として
食べることと
寝ることと
人から愛されることと
他人から
うらやましがられることを
無上の喜びとする
名もなき私は
いつも
楽な方へ
楽な方へ
転がっていく
まるで
坂の上から
転がる石ころのようなもの
名もなき私は
生きることが
どんなに素晴らしく
大変で
過酷かを知らない
のほほんと過ごしてしまい
いつのまにか
棺桶に片足突っ込んでしまった
名もなき私は
いつものように
むくりと
起きだして
あくびの一つも
しながら
ぽりぽりと
首をかくのが
精一杯なのさ
いつもはコーヒーなんだが
お茶ですよと
言われれば
はいはいと
喜んで飲んでしまうような
そんな
名もなき私
名も無き人々は
それでも
毎日を生き抜いてゆく
ああ
愚かで
素晴らしい
名もなき人の
人生よ