~ 夢の途中 ~

強い?弱い?上手い?下手?そんなの関係ない!
全員が全力疾走!そんな『何か』を感じさせてくれるチームを応援します!

おつかれさん

2015年07月14日 | 高校野球

「お父さん、スコアブックの書き方教えて」

「はぁ?なんで?バレーボールのスコアとか知らないし・・・。」

「違うよ!野球のスコアたい!ウチ・・・野球部のマネージャーになったけん!」

「なんで?バレーボール続けないの?」


そんな会話を交わしたあの日からの挑戦が終わった。



たった2年4ヶ月・・・一瞬とも思え、あるいは巨大な時間とも思えた娘の挑戦が終わった。

三潴高校野球部の夏は昨年同様四回戦敗退、今年もベスト32の壁を越える事が出来なかった。



何度も何度も繰り返されるピンチをとびっきりの笑顔で乗り越え




ピンチを凌いだ仲間をとびっきりの笑顔で迎え入れる仲間たち




チャンスを作れども祐誠守備陣に阻まれ・・・それでも笑顔を絶やさず挑戦し続けた。



スコアボードに8個の0が並び・・・


それでも最後まで諦めずに挑み続けた。


最終回・・・






三年生の・・・三潴高校野球部の意地と気持ちが繋がった3連打で満塁のチャンスを作る。

その姿に、その必死な形相に全身が震えた。心が震えるってこんなことなんだな・・・と。


その意地で返した1点。たった1点かもしれないが3年生の2年4ヶ月の日々がギューと凝縮された素晴らしい1点だった。


でも・・・届かなかった。








グラウンドで戦う事を許されなかった選手に最後の感謝を述べ・・・その瞬間にたった1枚の薄っぺらいネットが阻んでいたもの、グラウンドで戦う者とその姿にスタンドから必死の声援を送る者とに線引きした1枚のフェンス、でも遥か高く分厚い壁となりグラウンドとスタンドを隔ていたモノが壊され本当のチームとなれた瞬間だった。


試合が終わり・・・気丈にも飛びっきりの『作り笑顔』で選手に声をかけ続ける娘を見て涙が溢れてきた。




「もう頑張んなくっていいよ。」そう思って娘を見ていた。

でも・・・

監督が父兄に・・・そして選手に「勝たせてやれずにすまない」そう頭を下げた瞬間、




彼女が堪えていたものが一気に流れ出した。




ホントにここまでよく頑張った。

練習試合に出かける度に選手よりも早く学校へ行き準備をしてた娘。

色んな事に悩み続け、それでも最後までやり通した娘。

グラウンドで真っ黒に日焼けし選手のために尽くしていた娘。

選手の練習中の捕食ご飯を炊き続けた娘。


そんなキミの父親になれた事を誇りに思う。キミの父親になれた事に感謝している。



3年生が最後の挨拶を終えた瞬間・・・ついに彼女の夏が終わった。




キミがこの野球部で得たモノ・・・それはキミを絶対に裏切らない仲間、そしてキミが絶対に裏切れない仲間です。


そんな仲間と飛びっきりの笑顔を残して・・・キミの夏、18歳の夏が終わった。



素直に・・・心から・・・「お疲れさん」



でも・・・お前だけは許さねぇ!



毎日の練習後、帰宅途中にある我が家まで娘を送ってくれた事には感謝している。

だが今後ウチの前を通った時には・・・自転車のスポークに棒突っ込んで引っくり返す!