十勝葡萄酒の伍… 2012年12月18日 | 日記 ブドウの木は 1000本に1本の割合で突然変異を起こし 逞しく身をつける事がある… 河田将征は、この「枝変わり」の技術を用いて ワインに適した品種「清見」を生み出した… 葡萄棚は高さ40cm そこまで地表熱が届く…
十勝葡萄酒の四… 2012年12月18日 | 日記 昭和39年… 自生する山葡萄から造られた葡萄酒が 初めて国際的な賞を獲得した… だが、山葡萄の成功で満足は出来ない… むしろ栽培されたブドウでの成功こそ 十勝ワインの大きな目的である 「農業振興」が図られるからである…
十勝葡萄酒の参… 2012年12月18日 | 日記 役場職員大石和也が派遣された ライネル・マルゲートが営むワイン醸造所… ワイン酵母の国外持ち出しを全面禁止した ドイツ国内法の中にありながら マルゲートは 大石の熱意に打たれ酵母の分配を黙認した… 「今から1分間 私は窓の外を見ている… その間に起こる事は 何も知らない…」 大石は マルゲートの背中に深々と頭を下げ テーブルの上に置かれた ワイン酵母の小瓶を手にした…
十勝葡萄酒の弐 2012年12月18日 | 日記 町長丸谷金保は 地元農家の協力を得て葡萄樹を栽培… しかし寒冷地に不向きな品種は収穫出来ず 醸造の技術も未熟で品質が不安定 売り物にはならなかった… 当時国内では葡萄の需要が極めて少なく 多くの農家が栽培を放棄… ある朝、丸谷の家の前には 無惨に切り取られた葡萄樹が山積みにされ 町長はホラ吹きだと罵られた… この頃の池田町は近隣よりも貧しく 農家の人々の当時の暮らし振りもまた 苦しさを極めていた…
十勝葡萄酒の壱… 2012年12月18日 | 日記 昭和27年… 第一次十勝沖地震に襲われた池田町は 翌年から二年間続く凶作に追い討ちをかけられ 町の財政は破綻… 町長は残り二年の任期を残し職を放棄した… 代わって就任した丸谷金保は 町内に自生する山葡萄からワイン造りに着手 町役場職員大石和也をドイツに派遣し更に ソ連に抑留され ワイン農場で働かされていた人々も招き入れた… 自生する山葡萄で醸造した十勝ワイン第1号… 半年後にその出来映えを確認してみると 瓶の中の葡萄酒は全て腐っていた… ワイン造りには、酵母が必要だった…