美奈ちゃんの未来…

原発へ向かう国道六号線に沿って
桜の苗が何処までも植えられている…
そこに綴られる
30年後の故郷に贈られたメッセージ…

美奈ちゃんは大好きだったあの人と
結ばれているかどうか
それは未来のお楽しみですが
美奈ちゃんは恥ずかしいだろうなぁ…

どれもこれも
震災の記憶を思い起こさせるなかで
その一枚にほっとした訳です…

４８ｋｍ…

それは秋田のどこかの街で見た
スーパーの看板なんですが
店舗は直進48キロ先ですなんと！

自分の生きてる寸法が
もの凄く狭く感じた出来事です
っつうか、遠過ぎるるる～

除染基地…

原発労働とは違い
除染活動は軽装である事が危惧され
危険だと指摘されながらも
被災された方々や全国からの募集
その人達がこの仕事に携わる
身体へ悪影響がある事を知りながら…

作業に関わる人々は
容赦なく高線量域の中に放り込まれ
それを送り出し
大きな利益を得ている業者の中には
東電ＯＢの企業もあると聞く…

最前線に立つ人達が搾取される事が
あってはならない…
虐げられる人を見殺してはならない…

虐げられてるかは知らないけれども…

母親の選択…

公園内の土や遊具は
除染が済んでいると看板が教えている…
しかしそこに生えている樹木までは
除染がされてはいない…
山や森がそうであるように樹木もまた
多かれ少なかれ放射能を蓄え
風さえ吹けば枝から枯葉が舞い落ちる…

子供達を遊ばせても良いのか悪いのか
洗濯物を干すか干さないか
地元で穫れた物を食べるか食べないか
常に差し迫った選択の中で
子を持つ母親ほど苦しんだ存在はいない…

その公園で
三人の子供達を連れた母親とすれ違った…

一時帰宅…

帰還困難と指定される区域に
年末始に限り帰宅が許可された…

自分の家で迎える家族との正月
当たり前な事が
当たり前ではないそんな境遇が
やがて大晦日を迎えようとする…

来年の事も来週の事も
明日の事も分からない暮らしに
僅かながらの温もりが灯る…