咲花夜空(弐)…

散ってしまった星屑を
あなたはひとつ拾ってみせた…
降り注ぐ星達の祝いの声に
あなたはどんな夢を見るのだろう…


星の命は長いけれど
きっといつかは消えてしまう…
消えないものや変わらないものなら
あなたはきっと、大切にはしない…

咲花夜空…

星を砕いた宝石玉は
幾つの色にも輝いて
お菓子の花が咲くように
ピエロは空へまた種を蒔く…

狐の嫁入り…

新潟県阿賀町…
長い冬が終わり
雪が溶ける頃になると
この川を、狐の嫁入りが渡る…

城山の狐が嫁を貰うのだと
森の動物達もみんなで祝い
幾つもの狐火がパチパチパチと
楽しそうに揺れ踊る…

赤く染まった川に映る行列の影は
人の形をしているのか
それとも、耳を立て尾を生やした
けものの姿なのか…

西会津のおばさん…

テントの前で朝飯を食べていると
近所のおばさんが現れて
便秘で悩んでいる事を打ち明けられた…

なんでそんな話をするのだろうか…
僕はカレーうどんを食べているのに…

別れ際、そのおばさんに
「今日は天気がいいから暑くなるよ」
と見送られたが
この日、雨が4回降った…

西会津にも、なかなかの手練れがいる…

柳津福満虚空蔵尊…

上杉景勝が家康との戦勝を祈願した
1200年の古刹は
その願いを叶えてはいない…

望みは己が掴むもの
叶わぬのなら、ただそれまでの事か…