安井金比羅宮（やすいこんぴらぐう）は京都・祇園にある神社です。「安井のこんぴらさん」と呼ばれて地元では親しまれています。
- 悪縁を断ち切る「縁切り」神社として著名
- 香川県の金毘羅宮の京都出張所のような位置づけ、海の安全や交通安全を祈る人も少なくない
- 祇園にあり、建仁寺や清水寺なども近く、訪れやすい
小さな境内ですが、とても人々に愛されていることがわかる温かい境内です。案外知らない人が少なくありませんが、訪れるとお気に入りになること間違いなしです。
安井金比羅宮は、飛鳥時代に藤原鎌足が創建した仏堂・藤寺に端を発すると伝えられています。しかしこの神社を著名にしたのは、菅原道真と並んで日本史上最強の怨霊として恐れられた平安時代末期の崇徳上皇です。崇徳上皇は藤寺を気に入り、寵愛した女官を住まわせていましたが、保元の乱で敗れて讃岐に配流される際に、女官とは引き離されます。
こうした物語から神社の主祭神である崇徳上皇が、自らのような悲劇に合わないよう、幸福な男女のえにしを妨げる悪縁を断ち切ってくれると信じられるようになりました。やがて男女の縁だけでなく、病気や酒・賭博などすべての悪縁を断ち切ってくれると、ご利益はさらに大きくなります。
また京都で唯一の金毘羅さんであり、海上交通や釣り・マリンスポーツ、ひいては交通安全を祈る人も多く訪れます。祇園という立地にも恵まれており、いつも参拝者で絶えない人気の神社です。
縁切り縁結び碑
境内の中央、本殿を目指すと白い巨大なオブジェが自然と目に入ります。この神社の名物「縁切り縁結び碑」です。石碑の周りに形代（かたしろ）と呼ばれる願い事を書いたおふだを張り付けていくため、白いオブジェに見えます。形代を手に持って願い事を念じながら石碑中央の穴をくぐり、最後に形代を石碑に張ると願い事がかなうというものです。
人気があるため穴をくぐる順番待ちの行列ができることもしばしばです。膝が地面についても大丈夫な服で、気合を入れてお出かけください。
【安井金比羅宮公式サイト】 縁切り縁結び祈願の作法
安井金比羅宮は「縁切り」神社ですが、良縁は切りませんのでご安心ください。夫婦やカップルの参拝者も多く、二人のきずながさらに強くなるよう祈りを捧げています。
崇徳上皇を最初にこの地に祀ったのは、保元の乱で崇徳上皇を破った弟の後白河法皇です。藤寺の敷地に建立した光明院観勝寺で崇徳上皇を供養し、怨霊から逃れようとしたのかもしれません。後に讃岐の金毘羅宮からも分祀されますが、金毘羅宮の祭神の一人は崇徳上皇です。崇徳上皇への手厚い配慮がうかがえます。明治の神仏分離で寺から神社になり、現在の安井金比羅宮に至ります。
この神社は地元で人気のある行事が多いことでも知られています。節分・夏越大祓といった恒例行事に加え、9月も「櫛まつり」では美しい時代装束で着飾った女性たちの行列が祇園界隈を練り歩きます。10月の花車や獅子舞が祇園界隈を練り歩く例祭や、正月の縁起物・稲宝来が授与される12月の終い金毘羅（しまいこんぴら）も多くの参拝者で境内は賑わいます。
【安井金比羅宮公式サイト】 年中行事
祇園の近くで京都の神社でよく行われる行事や祭りが一通り体験できる神社です。祇園から高台寺や清水寺を目指す途中にあります。ぜひ一度お出かけください。
雪化粧した祇園
こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。
縁とどう向き合うか？
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安井金比羅宮
【公式サイト】 http://www.yasui-konpiragu.or.jp
※参拝に条件はありません。いつでも無料で参拝できます。
◆おすすめ交通機関◆
京阪本線「祇園四条」駅下車、1番出口から徒歩10分
阪急京都線「河原町」駅下車、1番出口から徒歩15分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安：35分
京都駅→地下鉄烏丸線→四条駅（烏丸駅）→阪急京都線→河原町駅
【公式サイト】 アクセス案内
※京都駅から直行するバスもありますが、地下鉄を乗り継ぐ方が、時間が早くて正確です。
※この施設には有料の駐車場があります。
※渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。
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