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食べることは生きること
日々の拙い食記録

ふぐ割烹『漁火』     船橋/2022.11

2024-02-22 18:44:31 | 探査レポート

 今回は世田谷区船橋、希望ヶ丘団地前交差点すぐ近くにあるビルの2階、ふぐ割烹『漁火』へお邪魔しました。
私にとってふぐといえばこちらのお店。

世の中がコロナ禍に入る前にお邪魔して以来ですから、かなり久しぶりになってしまいましたが、いつものように温かく迎えて下さいました。
誠にありがたいことです。


 





ふぐ刺し(二人前)
久しぶりのとらふぐ刺し。
心地よい歯応え。ゆっくり噛み締めていると自家製ぽん酢の味わいに引っ張られるように、なんとも言えない美味しさがじわじわ感じられてきます。

 

 



福生『多摩自慢』あらばしり 純米生原酒
毎年10月下旬から11月上旬に発売されます。仕込みをしてから一番最初に出荷される無濾過、無調整のお酒。フレッシュでキレのある佳いお酒です。

 




漁火焼き(ホタテ)
名物料理のひとつ。かかっている特製のタレが素晴らしい。香ばしくとても豊かな味わいです。今回はホタテでしたが季節により牡蠣に変わります。



ふぐちり
今回のふぐちり鍋には大将のご厚意でおまけが付いていました。それが『熟成ふぐ』というもの。
トラフグは脂肪がなく筋肉質であるため普通の白身魚よりも旨みが出てくるまでに時間がかかるもののようですが、こちらはそこから、身を洗って寝かせてを繰り返し更に熟成させたものとのこと。
その熟成された身を煮る前に勧められるまま、少しかじってみたのですが、全く噛みきれない。普段より更に寝かせた身でさえ物凄い弾力があり、びっくりしました。
こういう肉質であるからこそ薄造りにしてもなお、他の白身魚とはまるで違う、ぷりぃっとした食感がでるのだと実感しました。

 

 

 

 

この追加熟成ふぐを最初にいただきました、煮加減が肝要とのことで大将に火加減をみていただき、タイマーをセット。
刺身でも食べられる熟成させた身をこぶ出汁に入れ、絶妙の煮え加減のところを自家製ぽん酢でいただく。
これが旨いのなんの。淡泊なはずのとらふぐの味がとても強く感じられました。


肩身

 


肩カマ

 

 

 

 

骨のまわりの身のうまいこと。かぶりつくようにして食べ、最後の雑炊まで堪能しました。
またしても雑炊の写真を撮れなかった。
美味しいものを食べているとだんだん夢中になり、後半は撮り忘れてしまいます。

今回も幸せな一時を過ごさせていただきました。
久しぶりのふぐだったからか、熟成ふぐのおかげか、私達の舌が少しは経験を積んだからなのか、今までで一番、ふぐの味をはっきり感じられた気がします。



実は今回お邪魔して、席に着くと大将から回覧板を渡されました。

─2024年4月を以て閉店するというお知らせ─

閉店は残念ではありますが、歳を重ねての無理は禁物。病気や怪我をして…ということではないのでそこは安心しました。

ふらりとお邪魔してから約10年。年に1、2度ではありましたが、それまで私にとって未知のものであったふぐ料理というものの、本当の美味しさを教えていただきました。


美食家ブリア・サウ゛ァランの言葉に『新しい御馳走の発見は、人類の幸福にとって天体の発見以上のものである。』とありますが、私にとって、漁火との出会いは、まさに幸福なことといえます。

またこの素晴らしい料理を味わいにお邪魔したいと思います。

ご馳走さまでした。

 

 

割烹 ふぐ料理『漁火』

東京都世田谷区船橋6-3-1

17:30~23:30

月・火・水曜定休

 

 


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