栄養医学ブログ

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ガン組織でのビタミンC要求量の増加について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-18 10:08:08 | 健康・病気

ガン組織はビタミンCを多く消費するので、正常組織に比べてビタミンC濃度が高くなっています。チノイ博士らは、ヒト癌組織では、器官の組織よりは高いビタミンC値を有すことを報告し、組織化学的技法を用いて、ビタミンCが最大濃度で活発に増殖する侵襲性ガン組織のその周辺に蓄えられることを証明しました。また、モリアーク博士らは、30名のガン患者のうち29名において、周囲の組織ビタミンC値よりは、ガン組織のビタミンC値がもっと高いことを発見しました。このことは、ガン組織が大量のビタミンCを必要としていることを示していると考えられます。

ガン間質のビタミンC濃度は、循環系でのその貯蔵が測定できるほどの枯渇です。また、ガンのビタミンC要求量の増加は、ビタミンC負荷試験でも調べられます。研究者らは、ガン患者でのビタミンC利用の増加を証明しています。これらの研究結果では、ガンに特有な特徴の白血球と血液でのビタミンCの欠乏を示しています。これらのことから、ガン患者には十分なビタミンCを供給することは病態生化学的にも理にかなっています。

References

Ewan  Cameron, et al. VitaminC and Cancer. Cancer Research. vol39,March, 1979


心臓疾患、脳血管疾患とビタミン、ミネラルの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-17 14:14:29 | 健康・病気

ビタミン類は、動脈硬化や老化を早める過酸化脂質のできる反応と過酸化脂質を分解する反応に関係しています。過酸化脂質は、即席ラーメン、ポテトチップス、クラッカーなど加工食品、それに乾物などに含まれ、それらが古くなったり、光が当たると、過酸化脂質が増えます。幸いなことに体内には、過酸化脂質のできる反応を抑制したり、分解する防御システムがあります。このシステムの主役を演じているのがビタミンEとビタミンB2です。ビタミンB2は体内の過酸化脂質を分解する作用があり、ビタミンEは、過酸化脂質の材料となる物質と反応し、過酸化するのを抑制し、老化を防ぎます。ビタミンB2は、乳製品、豆類、緑黄色野菜などに含まれ、ビタミンEは、小麦や米の胚芽、卵黄、牛乳、緑黄色野菜などに含まれています。

次に、ミネラルではマグネシウムの不足は動脈硬化の原因になります。マグネシウムは、ナッツ類、麦類、豆類、海藻類、スキムミルク、ココアなどに含まれています。また、日本人の心臓異常はカリウム不足が原因で、青森県では、カリウムを多く含むリンゴを多食する習慣があり、心臓・脳血管障害が少ないと報告されています。カリウムを含む食品は、魚類、果物、野菜類です。

心臓・脳血管疾患の予防には、循環系に強さや柔軟性を与えているコラーゲンの強化が必要で、ビタミンCにはそれを強化する働きがあります。また、ビタミンCには悪玉コレステロルを減少させ、抗血栓作用がある事から、心臓・脳血管系疾患の予防に重要です。結局、これらの疾患の予防には、食塩、砂糖、加工食品などを減らし、栄養バランスのとれた和食とプロバイオティクス食、プレバイオティクス食をミックスして摂取するのが良いと考えます。なお、野菜、果物には、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。

References

Linus Puling. VitaminC, cold and influenza. W.H.Freeman and Company.1976

Stone, I, (1972)The healing factor:VitaminC against Cancer. Grosset and Dunlop.

 

 


アルキ、カロケリノス医師のガンへのビタミンC療法の検討 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 毅彦毅彦

2024-08-16 15:32:50 | 健康・病気

現在、ガンへのビタミンC療法の臨床報告が多くなされています。メルボルンの医師、カロケリノスは、30名から40名の末期ガン患者を治療し、2~3ヶ月で患者はガン性疼痛がなくなり、2週間ほどで痛みがなくなるガン患者もいた。なお、ガン患者は、外科手術、放射線療法、化学療法のどれも受けていた。ビタミンCをビタミンCナトリウムの形で、1日に4回、計8gまで徐々に増やして点滴した。同時にビタミンB群と亜鉛イオン(グルクロン酸亜鉛)をそれぞれ、200mg/日まで投与した。そして、、ビタミンCナトリウムを1週間に3回、点滴により30g~60gを1年間投与した。なお、点滴を中断すると、ガンは大きくなった。それでガン性疼痛を緩和したり、ガンの大きくなるのをコントロールするため、再度、ビタミンCナトリウムの点滴を行った。

これらの結果を検討すると、ガン患者の多くは、初期に良い結果が得られ、少数の患者では明らかな効果は認められず、急速に衰弱し、死亡しました。しかし、多くのガン患者では、初期に全く良好な結果が得られ、ガンは明らかに小さくなった。また、長期間治療した患者は、ガンが大きくなりかけていた。なお、カロケリノス医師は、幾人かの患者にビタミンAを併用投与しました。一連の患者では、ビタミンCによる合併症の出血が見られ、これは、ガンが小さくなり、そのため周りの新生血管が裂けたためか、ガンが血管に入って、出血を引き起こしたと考えられ、1名では致命的であった。また、この医師は、葉酸は投与せず、肺ガン患者には、ビタミンCに加えて、ビタミンA(肝油に含まれる)とグルクロン酸亜鉛を投与した。10g/日のビタミンCはガン予防のために必要とカロケリノス医師は述べています。彼は、皮膚ガン患者にビタミンCナトリウム軟膏を患部に塗り、かつビタミンCも投与し効果を得ています。なお、ビタミンCは栄養素なので安全性は高いと臨床医は報告しています。

References

George E. Berkley. CANCER: How to prevent it &How to help your dictor  fight it. 1978 by Prentice-Hall.

H.L.N ewbold. VitaminC against cancer.Stein and Day/Publisher.1979

 


ヘアマイレス病院(イギリス)での網状細胞肉腫(ガンの一種)に対するビタミンC大量療法の検討 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-16 11:42:56 | 健康・病気

ガンへのビタミンC療法に関しては、基礎研究が多く報告されていますが、臨床研究についても紹介したいと思います。ヘアレス病院の臨床研究の症例は、42歳の男性で右胸間筋痛、夜間の寝汗、無感覚症状、激しい体重減少、などが4ヶ月続き、1973年10月に来院しました。遡って、1973年6月には、上記症状により医師に診断を受け、胸部X線検査、血液検査を行った。診断は、重度の頸部リンパ腺疾患で、たやすく発見できる肝臓肥大と巨脾症であった。また、胸部X線写真は滲出液のため、中隔膜の拡大を示した。右頸部腺の生検では、多くの網状細胞を伴った悪性リンパ腫、すなわち網状細胞肉腫であった。

弱い放射線療法を実施し、続いて、1973年10月28日にビタミンC大量療法を開始した。最初、10g/日を静脈内投与(点滴)を10日間続け、その後、10g/日を経口投与した。すると、極めて劇的な反応を示した。11月4日頃には、脾臓は触知できず、肝臓はやっと触知できた。さらに、頸部リンパ腺腫と腋窩リンパ腺腫は急速に退行しました。そして、頸部リンパ生検を11月8日にまた行い、綱状細胞のみが優位でない増殖として報告している。

ビタミンC療法を初めて以来、70日まで着実な臨床上の改善が見られた。ビタミンCの摂取は、続く数ヶ月、徐々に減少しました。4週後の1974年5月までは胸部X腺検査は悪性反応でした。その後、1ヶ月間ビタミンCの投与を止めると、疲労感と咳に悩まされ、X腺ではガンが再発しかけていた。再びビタミンCの摂取を始め、9月には徐々に良くなり、11月にはX腺像、臨床像とも正常になった。

references

H.L. Newbold. VitaminC and Cancer.Stein and Day /Publishers. 1979

George E. Berkley. CANCER: How to prevent it &How to help your doctor fight it. 1978 by Prentice-Hall, Inc

 


ガン予防とビタミンの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-14 17:09:00 | 健康・病気

ガン予防とビタミンの関係については、多くの研究が報告されています。研究によると、ビタミンA(肝油などに含まれる)とガン関係については、十分量のビタミンAを摂取すれば、皮膚ガンと口腔癌に罹るリスクを減らし、また、ビタミンAは、肺、胃腸管などの上皮細胞保護作用があります。実験用ラットにビタミンA欠乏食を与えると、悪性腫瘍の進行を促すと報告されています。発がん性化学物質とビタミンAが結合すると、発がん性化学物質による前ガン細胞を破壊します。また、発がん性化学物質に暴露された実験動物は、ビタミンAが欠乏した場合、ガンが進行します。ビタミンAは免疫T細胞の産生に極めて重要で、免疫T細胞は、ガンから我々を守ってくれる細胞の一種です。さらに、ビタミンAは感染を予防し、腎結石の予防にも役立ちます。なお、ビタミンAは、卵黄、バター、肝油などに含まれています。

次に、ガンとビタミンB群との関係については、実験動物の食餌にビタミンB2が欠乏すると、脳腫瘍を発症する可能性があります。また、発がん性化学物質を動物に投与すると、ビタミンB2欠乏症の場合、ガンが進行し、ビタミンB2を大量に投与すると、ガンの進行が遅くなります。なお、ビタミンB2は免疫系の保護に重要であり、免疫系の失調はガンの原因の1つです。また、ビタミンB2とビタミンB6を同量摂取することが、ガン予防に重要で、コリンも肝機能保護作用を有するビタミンです。なお、肝硬変は肝がんの前駆状態で、実験動物では、肝がんの回復にコリンの添加が効果があると報告されています。

動物性脂肪の大量摂取とガンの進行には、相関関係があり、動物性脂肪を大量に摂取すると、ビタミンEの必要量が増えます。そして、ビタミンEの摂取量を増やすと、ガンの進行は遅くなります。また、過酸化脂質が発がんに関係あり、ビタミンEは脂質の過酸化を防ぐ働きがあります。

ミネラル栄養素のセレニウム(セレン)と癌との間には相関関係があり、セレニウムが少ない土壌の地方はガン発生率が高いという報告があります。なお、ビール酵母にはセレニウムがが含まれ、ガン予防にも食べられていますが、大量のセレニウム摂取は毒性がありますが、少量摂取はガン予防に必要と言われています。また、ガン患者は亜鉛イオン(グルクロン酸亜鉛など)が欠乏しています。これら必須ミネラルは普通、食物、またイオンの形での適正量の摂取が適切です。そして、これらの栄養素とガンの関係の更なる研究が待たれます。

References

George E. Berkley. Cancer: How to prevent it &How to help your doctor fight it. 1978 by Prentice-Hall, Inc

Earl Mindell's Vitamin Bible. Earl Mindel Associates Inc

J.W. McCormick. Vitamins nd minerals to  prevent cancer.Archives of Pediatrics. 1954