栄養医学ブログ

健康・病気に特化した栄養医学ブログをアップロードしたい、と考えています。

脳の機能とビタミン類との関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会

2024-08-24 10:25:00 | 健康・病気

Hoffer博士らの研究によると、脳の機能は、脳に普通に存在する多くの物質の分子濃度により影響を受けます。従って、これらの分子(栄養素)をその人の必要量に応じて供給してやることが脳の機能を働かすために必要です。ヒトでのこれらの物質の最適濃度は、食事と遺伝的特質により供給された濃度とは異なっている可能性があります。

生化学上と遺伝学上の議論では、脳に重要な栄養素の脳への至適濃度の供給は、脳の機能を保つために重要です。そして、これらの栄養素が十分、脳の供給されないと、脳の機能が不調になり、最悪、精神に不調を来すようになります。劣悪な食事習慣でのビタミン欠乏症では、精神症状が、身体的症状が現れる前に長期にわたって観察されると、報告されています。脳は、その他の器官や組織よりは生命に必要な栄養素の濃度の変化に非常に敏感です。ある人では、これら生命に必須な物質の脳・脊髄濃度は、血液とリンパ液での濃度が正常でも、甚だ低い可能性があります。

生命に必須な物質の血液ー脳関門の透過性の減少のような生理学的異常、あるいは、脳の中の生命に必須な物質の濃度の異常の原因である遺伝子特性は、例えば、脳の機能とその連携の機能不全の遺伝的特性を有する精神病質だけでなく、統合失調症の遺伝子特性である、ビタミンB群を多く必要としている体質とも関係があると、博士らは述べています。この疾患は、一つ、あるいはもっと多くの生命に必須な物質の局部的に、大脳での欠乏がもたらされると、考えられます。この精神不調の解決のためには、脳への最適な分子環境を供給してやることによる良好な脳の機能維持は、、ビタミンのようなヒトの体に普通に存在する栄養素の最適濃度を保つことです。

ビタミンC、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、などを含む食品や、サプリなどでこれらの栄養素を十分補給することは、統合失調症の予防・治療に重要である、特にナイアシンは、と博士は述べています。しかし、遺伝的精神病質でのこれらビタミン類の補給効果は報告されておらず、今後の研究が待たれます。

References

Linus Pauling. Orthomolecular therapy of psychiat.ry,. Science. Vol160, Page265-171. 1968

 

 


ビタミンCの宿主抵抗性と抗菌作用、抗ウイルス作用との関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-22 16:10:56 | 健康・病気

人類は未だに絶えず感染症に苦しめられています。現在は抗菌剤が発見され、その恩恵を受けた人も数多くいると思います。今回は、野菜や果物に含まれている栄養素のビタミンCの宿主抵抗性とその抗菌作用、抗ウイルス作用について考えて行きたい、と思います。

ほとんどのガンは潰瘍化し、その結果、二次細菌感染を起し衰弱することが、ガン疾患全体で重要な役割を演じると報告されています。白血球のビタミンC値は、白血球の食細胞力に影響し、感染に対し宿主抵抗力を高める事が知られています。ビタミンCが、全種類の一般的発病性微生物に対し、直接食菌作用と直接的制菌作用を有する根拠が存在します。Klenner博士らは、大量のビタミンC投与により、ヒトの種々細菌感染の治療にかなりな程度有効であったと、報告しています。Anderson博士らは、ビタミンCが抗ウイルス作用、抗菌作用、抗ストレス作用を有する事を報告しています。Stone博士は、彼の著書で、ウイルス性疾患に対し、動物とヒトは、ある程度、ビタミンCの摂取を増やすことにより防げると報告しています。Jungehelt博士は、ビタミンCが、ヒト血中濃度において一定の値に達すると、灰白髄炎ウイルスを不活化すると報告しています。その他、多くの研究者が、ビタミンCの抗菌作用と抗ウイルス作用を報告しています。なお、ビタミンCの摂取は、朝、昼、晩に分け、食後に白湯で飲みます。なお、腎機能の低下しているヒトは、ビタミンCの量を減らすか、野菜や果物での摂取が賢明です。

References

Cameron, E. Chemi-Biol. Interactions. 9(1974)

 


肝硬変、外科手術、気管支ケイレン、月経困難症、アレルギー疾患とビタミンCの関係 日本ビタミンC研究会

2024-08-21 10:36:22 | 健康・病気

肝硬変で広範な肝臓細胞の損傷を受けたアルコール飲料大量摂取者は、対照に比べて白血球ビタミンC値が著しく低く、平均ビタミンC値は65.6ナノモル/10の8乘Wbcで、対照は100ナノモル/10の8乘Wbcであった。また、手術患者は、手術後ビタミンC値の著しい減少が見られ、手術後のビタミンCの測定値と白血球の間には、著しい相関が認められた。外科手術は、ビタミンC要求量の増大を伴い、手術後3日で循環ビタミンC値が42%ほど減少しました。これらの発見は、アルコール大量飲用者、手術患者にビタミンC補給の必要性を提起しています。

リンチ博士らの研究では、気管支ケイレン患者にビタミンCを500mg/日投与すると、ヒスタミンが原因のこの疾患を治すと報告している。シャルマ博士らの研究では、モルモットの排卵期にはビタミンCが枯渇し、妊娠8週から胎盤ビタミンC値が減少し始める。また、正常な月経周期の婦人の胎盤は、PGF2α/PGE2比が約0.6で、月経困難症の婦人では、この比は0.9から1.3の間であった。また、月経困難症の婦人の白血球ビタミンC値は正常な婦人より低かった。これらのことから、ビタミンCは、これらの比をコントロールし、アデニール/グア二レイトシリダーゼのシステムを形成すると考えられます。

ウイルソン博士らの研究では、ビタミンCが壊血病時の食欲低下を改善し、アレルギー疾患時の味の識別の改善に関係しています。なお、脳でのビタミンC値が危険値以下に低下した場合、食欲も減退します。そして、組織ビタミンC値が減少した時、細胞の電気ポテンシャルも減少します。また、細胞の電化ポテンシャルは、アレルギー症状の進行に伴い減少します。食欲は、神経のフィードバックメカニズムによりコントロールされ、その活性化は、ビタミンCが枯渇した組織の細胞電気ポテンシャルの減少により決まります。

References

A, Hunk. VitaminC. Hans Harber Publisher. 1982


末期ガン患者へのビタミンC投与による延命効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-20 13:42:25 | 健康・病気

Cameron博士らの研究では、末期ガン患者にビタミンCナトリウム(点滴)を投与した100名と1、000名のプラセボ(対照群)での症例を調べた結果では、来院の日付と死亡の日付を参考にして、ビタミンCナトリウムを10g/日を投与した、スコットランドの末期ガン患者(治療不可能)の治療では、患者の生存期間を著しく延長させたという結果が存在します。もっと投与量を増やせば、もっと効力を高めると、博士は考えています。

ビタミンC群100名のガン患者の内8名は、1978年5月15日現在、生存しており、治療不可能な時から1年以上の生存期間の末期ガン患者は、100名のビタミンC群では22名で観察され、プラセボ群の55倍(1000人中4名)であった。なお、この22名の患者は、末期状態に達した後、平均2.2年生存しました。また、患者のquality of lifeはビタミンC投与により改善しました。もっと早くビタミンCを投与していれば、生存期間が延び、もっとquality of life の改善が見られたと、Cameron博士は報告しています。

これらの説明として、大量に摂取したビタミンCが人体の防御機構を効率よく働かせ、強める仕組みが存在するためです。その一つは結合組織と細胞膜の強度を高めることです。強度の強化は、構造タンパク質のコラーゲンの量が増えるためで、ビタミンCはこのコラーゲンの合成に必要です。また、体内のビタミンC濃度の増加に伴って、細菌や悪性腫瘍と闘う白血球の効率が高まります。

クレチーン博士らは、人体実験において、5g/日のビタミンCの投与が新生リンパ球の生成速度を高め、10g/日に増やすと、もっと大きい効果があることを発見しました。リンパ球の新生速度が増せば、感染やその他の人体の外敵に対し、余分の防御力が備わります。特に、リンパ球の新生速度が速いガン患者は、その速度が遅い患者に比べ、生存率が高いことが知られています。

References

Cameron. E. et al. Supplementary ascorbate  in the  supportive treatment of cancer: Prolongation of survival times  in terminal human cancer. Proc.Natl . Acad.Sci. USA7373:3685-3689

 


低ビタミンC血症の老年病患者へのビタミンCの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-18 15:58:30 | 健康・病気

スコラム博士らによると、経口摂取によるビタミンCは、低ビタミンC血症の長期入院の老年病患者118名で試験され、ビタミンCを1g/日、28日間投与された。これらの患者は、プラセボに比べて、臨床上の改善、体重増加が認められた。彼らの年齢は59歳から97歳の間で、ビタミンCとプラセボはどちらも外観、味とも区別がつかなかった」。

約1ヶ月後のビタミンCとプラセボ投与後の臨床症状の変化は、活発さでは、ビタミンC群で13名、プラセボ群では8名、周囲に対する関心では、ビタミンC群では8名、プラセボ群では5名、食欲では、ビタミンC群では5名、プラセボ群では2名、活発さと関心度では、ビタミンC群は15名、プラセボ群では8名、活発さと関心度、食欲では、ビタミンC群が26名、プラセボ群では18名で、それぞれ改善が見られた。また、体重増加では、ビタミンC群は33名、プラセボ群は23名、平均体重変化(kg)は、ビタミン群は+0.54kg、プラセボ群は-0.24kgであった。これらの結果から、低ビタミンC血症の老年病患者へのビタミンCの効果が期待されます。そして、ビタミンCが老人への福音となることを期待しています。

References

c.J. Scrum The Lancet. 24 March , 1979