アテローム性動脈硬化症は、脳梗塞、心臓の冠状動脈硬化症による狭心症や心筋梗塞、それに細小血管脳梗塞、足などの末梢血管梗塞などの原因となり、人々を苦しめています。アテローム性動脈硬化症の原因となる悪玉コレステロール値の高値は、ビタミンCの高摂取により改善するという研究が報告されています。
オドユムソ博士らは、ビタミンCのコレステロール代謝のコントロール作用を研究するため、オスのモルモットにコレステロールを入れた壊血病発病食を毎日投与し、組織コレステロール値の上昇が、組織ビタミンC値の広範な枯渇と共に、同時にもたらされました。これら高コレステロール血症のモルモットは、毎日、ビタミンCを10日間摂取したものと、しないものがあり、高脂血症治療薬のクロフィブイレイトと山芋成分のジオスゲ二ンを摂取していた時、体重、血漿、それに肝臓のビタミンC値、総コレステロール値の変化が観察された。クロフィブレイトとジオスゲニンは、体重、ビタミンC値、総コレステロール値の減少をもたらしたが、それに反して、体重と組織ビタミンC濃度は、ビタミンC単独投与群、あるいは、ビタミンCとクロフィブレイトとジオスゲニンとの併用投与群では、増加しました。なお、クロフィブレイトとジオスゲニンのコレステロール低下作用は、高コレステロール血症のモルモットにビタミンCを毎日投与することにより強められました。これらの研究から、ビタミンCは、高脂血症治療薬のクロフィブレイトと山芋成分のジオスゲニンを摂取する高コレステロール血症のモルモットのコレステロール代謝のコントロールに、重要な役割を有すると考えられます。これらの研究から、動脈硬化症の予防と治療へのビタミンCの応用が期待されます。更なる研究が待たれます。
References
Stone,I. (1972)The healing factor; VitaminC against disease.Grosset and Dunlap, New York