栄養医学ブログ

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心血管系疾患へのビタミンCの作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-12 16:37:55 | 健康・病気

前回のこのブログで述べたように、心臓血管系疾患の罹患率の低下のためには、砂糖を減らし、適正量のビタミンCとビタミンEを摂取すべき、とPauling博士は述べています。ただし、その代わりに人工甘味料の摂取は、逆に、発がん性リスクがある可能性が報告されているので、控えるのが賢明です。また、人での心臓血管系疾患の発症率が高いのは、多くのヒトがビタミンCの供給を食物のみに頼っていて、そのため、体内ビタミンCが常に必要最低限以下の状態にあり、この摂取量では一般に長い期間にわたって強いコラーゲンを産生し、維持していくのに不十分な量です。循環系は、局部的にビタミンCを消耗させるような多くのストレスを受けるので、ビタミンCを大量に供給してやることが必要、とStone博士は述べています。なお循環系を作り、これに強さや柔軟性を与えている主な材料は、蛋白質の一種のコラーゲンです。冠状動脈疾患の患者には、ビタミンCを十分摂取するよう勧めています。

ウイリス博士は、ビタミンCを大量に静脈注射(点滴)すると、動脈硬化の治療や動脈内膜の出血と血栓予防に役立つであろうと述べている。またスピットル博士は、動脈硬化が長期間にわたるビタミンC欠乏の結果生じるので、ビタミンCが欠乏すると動脈の悪玉コレステロールが増え、動脈硬化をもたらすと述べている。また、エバンス博士は、心不全の患者にはビタミンCを十分与える必要があり、脳血管系の健康を保つためには、身体の他の部位にもまして、ビタミンCとビタミンEが必要であり、ビタミンCの摂取量が適切な水準以下であると、脳出血の原因になります。人は、遺伝的に低ビタミンC血症であり、その遺伝的ハンデイをカバーするため、大量のビタミンCが必要です。また、脳出血の治療でも、ビタミンCの大量摂取は、その発作後の生存と回復のために新しい時代を拓き、また、脳出血も、その患者に見られる脳の局部的壊血病をなくすことによって予防が可能です。心臓病や脳卒中を予防するためのビタミンCは、3-5g/日を何回かに分けて食後に白湯で飲めばよい、と考えられます。

References

Stone, I. (1972) Thehealing factor : VitaminC against disease.Grosset and Dunlap,Nw York

Cameron, E. Cancer and VitaminC. Linus Pauling Institute of Science and Medicine.1979


ビタミンC、ビタミンEと心臓疾患、脳血管疾患との関係について 藤井毅彦 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会

2024-08-12 11:08:00 | 健康・病気

ガンの恐怖と共に、心臓疾患、脳血管疾患も人類にとって、戦争と共に恐怖の原因となっています。今回は、栄養素のビタミンとこれらの疾患との関係について考えて行きたいと思います。

Stone博士によると、一日にタバコを一箱吸う喫煙者は、年齢に関わらず非喫煙者に比べて、脳・心臓疾患の罹患率と死亡がが約2倍であり、また、不飽和脂肪酸類は、酸化されると動脈硬化の原因である過酸化脂質になります。ビタミンC(還元型ビタミンC)と天然型ビタミンEは天然の抗酸化栄養素で、食品とサプリなどで十分これらを摂取すれば、脳・心臓血管系疾患に対し防御力を高める、と報告されています。ビタミンEのほうがもっと重要であるけれども、ビタミンCもまた重要です。ビタミンCとビタミンEを肝臓や腎臓に負担をかけない適正量摂取するなら、早老の予防になるし、現代人のように多価不飽和脂肪酸の多い食事習慣の人では、これらのビタミンは、特に多く摂取する必要があります。血中悪玉コレステロール値の高い人は低い人に比べて、脳・心臓血管系疾患の発生率が高い、と報告され、動物性脂肪のの高摂取は血中悪玉コレステロール値を高めます。なお、ジンター博士とスピットル博士らは、ビタミンC(還元型ビタミンCのこと)の摂取量を増やすと血中悪玉コレステロール値を下げる、と報告しています。

また、別の研究では、ナイアシン(ビタミンB3のこと)の摂取量を増やすと、血中悪玉コレステロール値を下げる、と報告しています。コードキン博士は、冠状動脈・心臓疾患の発生率と砂糖の消費量の関係を研究し、1年に73kg以上の砂糖を摂取する人は、1年に27kg以下しか摂取しない人に比べて、どの年齢でも冠状動脈・心臓疾患に罹る率は、16倍高いと報告しています。

References

Earl Mindel's Vitamin Bible, 1982

Stone,I. (1972) The healing factor:VitaminC against disease. Grossetand Dunlap. New York