前回のこのブログで述べたように、心臓血管系疾患の罹患率の低下のためには、砂糖を減らし、適正量のビタミンCとビタミンEを摂取すべき、とPauling博士は述べています。ただし、その代わりに人工甘味料の摂取は、逆に、発がん性リスクがある可能性が報告されているので、控えるのが賢明です。また、人での心臓血管系疾患の発症率が高いのは、多くのヒトがビタミンCの供給を食物のみに頼っていて、そのため、体内ビタミンCが常に必要最低限以下の状態にあり、この摂取量では一般に長い期間にわたって強いコラーゲンを産生し、維持していくのに不十分な量です。循環系は、局部的にビタミンCを消耗させるような多くのストレスを受けるので、ビタミンCを大量に供給してやることが必要、とStone博士は述べています。なお循環系を作り、これに強さや柔軟性を与えている主な材料は、蛋白質の一種のコラーゲンです。冠状動脈疾患の患者には、ビタミンCを十分摂取するよう勧めています。
ウイリス博士は、ビタミンCを大量に静脈注射(点滴)すると、動脈硬化の治療や動脈内膜の出血と血栓予防に役立つであろうと述べている。またスピットル博士は、動脈硬化が長期間にわたるビタミンC欠乏の結果生じるので、ビタミンCが欠乏すると動脈の悪玉コレステロールが増え、動脈硬化をもたらすと述べている。また、エバンス博士は、心不全の患者にはビタミンCを十分与える必要があり、脳血管系の健康を保つためには、身体の他の部位にもまして、ビタミンCとビタミンEが必要であり、ビタミンCの摂取量が適切な水準以下であると、脳出血の原因になります。人は、遺伝的に低ビタミンC血症であり、その遺伝的ハンデイをカバーするため、大量のビタミンCが必要です。また、脳出血の治療でも、ビタミンCの大量摂取は、その発作後の生存と回復のために新しい時代を拓き、また、脳出血も、その患者に見られる脳の局部的壊血病をなくすことによって予防が可能です。心臓病や脳卒中を予防するためのビタミンCは、3-5g/日を何回かに分けて食後に白湯で飲めばよい、と考えられます。
References
Stone, I. (1972) Thehealing factor : VitaminC against disease.Grosset and Dunlap,Nw York
Cameron, E. Cancer and VitaminC. Linus Pauling Institute of Science and Medicine.1979