私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

季節性インフルエンザの記憶

2009-08-28 | 15雑観
最後にインフルエンザにかかったのはもう5~6年前だろうか。

十年来、インフルエンザの予防接種は欠かさず受けてきていたのだが…。

その頃の私は、パソコンと電卓相手に数字やよくわからない経済用語と格闘する日々で、オフィスにパテーションが組まれる前の一時期、一人の有能な女性と頭を突き合わせて仕事に励んでいた。

面倒で大掛かりな案件の整理を手伝うことになり、その有能な女性の下で作業にまみれていたのだが、数日間彼女が咳込みながら業務にあたる日が続き、ある日それがインフルエンザだと判明した。

不思議なもので、その情報を得て数時間後、私は急に発熱を覚えた。
帰宅途中のクリニックで簡易検査を受けると、まさしく陽性。

タミフルをもらい、直ぐ「インフルエンザだったのでしばらく休む」と職場に伝える。

その職場のナンバー2は非常にデリケートな方で、あれこれ厄介なことを言い始める気配が見えていた。
私がインフルエンザの感染を告げると、感染源であったに違いない女性が悪い…といった方向で攻撃が始まり、その女性が職を辞する一つのきっかけとなってしまったような記憶がある。

私に比べ、発症から時間がたっていた彼女は、回復にも時間がかかった。
結局長期間お休みすることになってしまったのだが、もちろん彼女に罪がある訳ではない。

私が復帰する時にも、その妙な職場のムードは伝わっていたので「もう誰にも感染させない」という確約がほしかった。

「熱が下がれば大丈夫…」
と楽天的におっしゃる医師に、
「本当に大丈夫ですよね、もう誰にもうつしませんよね」
と念押しし、呆れられた記憶がある。

今になってみれば、明らかに妙な患者の訳だが、渦中にいる時にはその異常さを認識できず、奇妙な行動にはしってしまう。

新型インフルエンザの流行で、奇々怪々なドラマが、日本のいたるところで繰り広げられているのだろう…と医療現場の惨状を嘆く医師のブログを読みながら、思い出していた。
コメント
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