私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

介護の世界も金次第(1)

2009-05-10 | 3老いる
「やっぱり…」と哀しいかな思った。

介護事業は事業であって福祉ではないのだ。
そんなことは解ってはいたのだけれど、あざとくその現実をつきつけられると面くらい、動揺を隠せない。

ここに書くことは事実であるが、決して批判や告発といった意図はなく、単に自身の思考を整理し、記録としてとどめることを目的としているので、それを明記しておきたい。

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その日は突然やってきた。

脳梗塞に端を発し、要介護5の認定を受けて久しい父は、老健と呼ばれる介護老人保健施設にかれこれ1年半お世話になっている。

入所時には見事にやせ細り、顔面には死相が現れていたと思う。
要介護5の認定は2年間の期限。
快復の目処はなく、多分次回更新時期より前に寿命を全うするであろう…という見解が込められていたと思う。

しかし、父の生命力はことのほか強かった。
その老健の行き届いた介護とリハビリの結果、鶏ガラのようだった体に少し肉がついた。

当然、認知症状があり、いつも不機嫌で能面のようだった顔に、時折笑顔が現れるようになった。
会話は出来ないが、時に単語を発することもある。

ただひたすら、老健の上質な対応に感謝していたのだ。
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