棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

美しいことば・うつくしいこころ

2014-04-28 09:05:42 | 山郷の暮し
ウグイスが朝日が射す前から、澄んだ声を響かせています。
美しい朝です。
そんな美しい朝に劣らない「美しい言葉」をTVから聞きました。

山里に住む農家の老夫婦が足腰が弱り、農作業はおろか営々と切り開いてきた山畑を継ぐ者もいなくなってしまった。

「もう山に返す時がきた。ヤブ山になってしまうよりも花でも植えよう。帰ってきた人が気持ちがいいだろう」
と休耕地にサクラや花桃などの花木を植えている。
そんな老夫婦のドキュメントでした。

文字にしてしまうと、おバーちゃんがポツポツト語った「山にかえす」の感動的な言葉を、心を、伝え切れませんが、
なんとも美しい語りであり、思いなのでしょう。
さらに、自分がこの世から去った後のことまでに思いが及んでいます。

「帰ってきた人たちが気持ちがいいだろう」

ドキュメントはこの老夫婦は亡くなって数年たち、藪山の斜面はサクラや花桃などが色なしていました。
その風景を楽しみに、山里に訪れる人が増えてきたと伝えていました。

蛇足かもしれませんが「うつくしい」とはなんとも良い響きですね。
英語のbeautifulの響きととは違います。
この違いは「美意識」の違いに通じるのではないでしょうか。
美しいことばとは意味ばかりでなく、この響きと大いに関係しているのだと思います。
浅学で断じ切れませんが、各国の言葉のイントネーションと感覚・意識の違いなどを研究する価値があるのではないでしょうか。

ためしにGooglの音声翻訳で聞いてみました。
電子音で本来の発音とは違うでしょうが、私の旅をした国々から「美しい花」でチョットためしてみました。
韓国語・・忙しい感じ インドネシア・・のんびりとした優しさ ラテン語・・優しい 中国・・きらびやか感じ  ドイツ・・ずしりと深い

「おもてなし」が流行っていますが、大和言葉の美しさ をあらためて見直すきっかけになっていくことはすばらしいことですね。


ryusun

つぶやき

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