音信

小池純代の手帖から

日々の微々 230705

2023-07-05 | 歌帖
  230705


    秋初月五首
 
 死から死へうつろふまでの仮枕草の葉ずゑを離るるあさつゆ
                            か

 わたくしは死者かも知れぬ逝きてなほ生ける彼らの目の片隅に


 花の色をうつしをりしがたまゆらのつゆおちながらいろをうしなふ


 此処がいいうなづきあつてうすれゆく音なき風と色なき夜露


 秋初月つゆと連れ立つひとすぢの風のゆくへをひと問ふなかれ
 あきはづき








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