読書の森

新津きよみ 『恐怖の白昼夢』 後編



「『いい子だな。ケツがプリプリしてる。肌もピチピチだ』
『嫌味言いにきたの?鼻の穴膨らんでるわよ』
『私だって、その、、、プリプリ、ピチピチしてたんでしょ?結婚したての頃は』
『そうだったかなあ。忘れた』」

これは元亭主と元妻の会話である。
とてもさりげなくて、その癖濃い会話。
私が逆立ちしたってこんなの思いつかない。

それでこの二人の別れた理由が「いろいろあって」とあるので、わからなくなる。

男と女の事って深そうだ。

何を書いてるか、私はこんな年で今更ね。
ブリッコで嫌らしいな。
要は、たとえ離婚しても夫婦だったと言う体験が、羨ましいのでございます。



さて、この作品に出てくる解離性障害である。
これはヒステリーの一種だ。
非常にショックな事が起こって、その記憶を抑圧する為に、現実とは別人格を持つ場合がある。

これがこのサスペンスの狂言回し的役割りを果たす。

解離性障害もそうだが、身体と心は強い結びつきがある。
私自身、幼い時恐ろしくショックな事が続いて二年間かなり難聴だった事がある。

この辺の病理や心理に作者は詳しい。深層心理学を駆使した作品が面白い。
心理学とサスペンスは実に相性が良いとしみじみ思う。

^o^
興味あるテーマなので作品の書評と言う形を取らせて貰いました。

しかし、新津きよみさんの作品、先に紹介した乃南アサさんの作品も、平均的にもっと質が高いです。
やはり、書評としてはそちらを取り上げるべきでした。

作者の方に本当に失礼だったと思います。
心からお詫び致します。

読んでいただき心から感謝いたします。

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