高校時代、楽しみにしていたテレビ番組があった。
丁度帰校する時刻に、テレビ名画座(?番組名もテレビ局も不明)があって懐かしい昔の映画を再放映していた。
ジュリエッタ-マシーナの『道』など鮮烈な印象がある。
しかし、私に一番強い影響力を与えたのは、原作者ジャンコクトーが監督、ジャンマレー主演の『オルフェ』である。
これは作家の田辺聖子さんも愛した作品らしい。
幻想と現実のあわいを彷徨う感覚が、ぞくっとする程良かった。
この作品は1949年に作られている。
『黒いオルフェ』や1999年に作られた『オルフェ』とは全く異なる。
モノクロの画面が物語のこの世ならぬ世界を引き立てる。
元々オルフェとはギリシャ神話に由来する。
妻を冥界から連れ戻そうとするオルフェウスが、やっと許しを得た。
ただし、後に続く妻を見てはいけないと言われた。
しかし、心配のあまり、命令に背いて後ろを振り返ってしまう。
そのために、妻をこの世に取り戻せなかったというお話だ。
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