読書の森

オルフェ 後



詩人オルフェは、偶然死の国の女王と会う。
彼女は死者を黄泉の世界に連れていくところだった。

女王の美しさは圧倒的で、彼は想いに耽る事が多くなった。


オルフェの変わり様に、妻は不安定になった。
そして誤って事故に遭い死ぬ。

オルフェはひどく後悔するが、自身も疑いをかけられて殺される。

女王は元々自分が原因で二人が死んだ事に苦悩する。
死者を蘇らす事は死の国の掟違反である。
それを承知で女王は、二人を元の生活に戻す。

オルフェも妻もその間の記憶が消える。
仲の良い夫婦の生活が再開するのだ。

しかし、そのため女王は死の国の果て、二度と戻れない世界に追放となるのだ。





ここにもっと重要なテーマが隠されているのだ。
実は、女王も又一目見たオルフェを熱愛してしまう。

異界からの恋は絶対許されない。
それを知りながら、さざ波の様になった彼の家の鏡を通って、会いに行く。
と言ってもベッドに眠っているオルフェを見守るのだ。

つまり生と死の世界をオルフェ女王が行き来して、恋を紡ぐ。

媒介はオルフェの寝室の鏡なのだが、
何ともファンタスティックな画面に仕立てられている。

物哀しい死の世界、どうにもならない恋。
それだからこそ、よけい美しく見える。

こういうのに憧れちゃったんですね。

どうにもならない恋はしない方が幸せだと思いますが、『オルフェ』は私を虜にしたのでした。

読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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