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読書の森

清水義範『ぶり大根』

いきなり「秋」本番という感じで涼しくなりましたね。
最近の気候は、よく言えばきっぱりと、悪く言えば穏やかならぬ形で変化します。

今日もブログをズルしてお休みしたいところ、何故か夜半近く書きたい(打ちたい)虫がウズウズしてきました。

そこで取り出したこの本、ありそうで無い「料理小説」のアンソロジーです。
作家の書いた料理に関するエッセイはよく見かけますが、テーマがズバリ食事というのは珍しいです。


このアンソロジーの作者はユーモア小説の上手い方が多いみたいですね。

本日取り上げた清水義範さん、ベテランの中堅作家です。

さて本のあらすじは?


明美は未だ本格的料理を10回しか作ってない、何故なら夫の伸介の仕事が忙しくて帰宅時間が一定せず、外食が多いからだ。
彼女は、真ん中が焼けてないハンバーグが自信作というから後は推して知るべしである。

明美を愛する伸介はそれでもパクパク食べてくれる。なので明美はそれなりに満足していたが。

ある休日のこと、自炊経験のある伸介は一緒に買い物に行ってくれた上に料理まで伝授し始めたのだ。

スーパーで安く仕上げる買い物の仕方、包丁の研ぎ方、伸介がマスターしきってる事に明美は仰天してしまう。

伸介の作ったのは得意料理の「ぶり大根」。
付け合わせは千切り野菜のサラダ、これは錦糸卵をトッピングする、それに浅利の味噌汁。

オカズの作り方を実に文学的(?)に説明してあります。



お味はというと、絶妙だった。
「美味しい!!」明美は急に胸が苦しくなってきて切ない涙をポロポロ流した。

私なんて料理下手なんだろ。伸介はまずいなと思いながら食べてたんだ。
「私この人と一生うまくやっていけるだろうか」

涙が妻の目から溢れてる事に伸介は驚く。
「どうしたのっ!」
「わたし、ダメだもん」
わーん、わーん、^_^というお話なのです。

新婚時代ってこんなんなの?
婆には恨めしいお話でした。

掲載した写真、ぶり大根とは似ても似つかぬものですが、これから寒い晩にぶり大根作ろうかな、そしてブログに載せようという気になりました。

この本、気軽に楽しく読めて、しかも調理法が分かり易い、儲けものでございますよ。

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