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読書の森

遺産問題について

最近、遺産争いから生じた事件が多いように感じます。私達の世代(及びそれより上の世代)の遺産です。

私自身は残す財産も子孫も皆無です。働いて貯めたお金で購入して母を引き取って暮らしたマンションは、自身の至らなさとXXで失い、かつ売買金の貯金も重なる移転で失っています。

決して極めて悪徳な不動産屋に騙された訳でも詐欺にあった訳でもないです。
世の中の偏見によるものがあったとは思います。つまり「ビッコの独り者の女性が自分の働きで家を購入する事なんて出来っこ無い」
と言う常識なんです。

亡くなった両親は自分の家で生まれてますが、戦争で祖父母が家を失って、放り出された形です。
父親は騙され易い性格が災いして定職に恵まれず引きこもりが多かったのですよ。

つまり父親の引きこもりの時期、戦中派の母と障害者の私が家計を支える形になったのです。
ただし頼りになる親戚の方々がいてくださったおかげで何とか体面を維持していたのですね。その為たった一人の跡継ぎ(?)と言う大時代なプレッシャーがあって嫌でした。
それでも相当な負けん気とプライドはあったのです。これが仇となったみたい。


さて、やっと購入したマンションは、私にとって生まれて初めて住めた自分の家です。貴重な財産なのに、自分の不徳のいたすところ(だけで無いけど)で失くしたのですね。

今更愚痴っても帰るものではありません。

今日話すのは別の問題です。弁護士兼作家の和久俊三の法律本は参考として出してます。

家を失っても能天気でいられたのは、頼りになる親戚がいたからですね。

一番あてにしてたのが子供のいない叔母です。叔母は少女時代に家の破産で今の韓国の商会で働いた経験があり、ワーキングウーマンの先駆けではあります。明るく元気な働き者でエクボがチャーミングな人でした。
戦後帰国出来て、義理の伯父の経営する工場で経理の仕事をしていた時歳下の工員さんと結婚してます。


その後叔母は、夫と共に別の工場(前の工場は経営破綻してしまう)の経営者となり、工場とは別に東京都の住宅地に家を持ったのです。
この家は叔母の名義になってます。

両親は生命保険に入ってません。心細かった時起きたのが東日本大震災です。
一番近い血縁である叔母に安否確認の電話を入れました。留守電でした。

その後、叔父(叔母の夫で私の血縁で無い)から電話がかかってきます。
「困ってるだろうね。それにしてもXX子(叔母)は冷たい。自分のたった一人の肉親なのに」
優しいです。もともとソフトな応対の出来る人で、喜んだ私がバカだった。

叔父はお妾さんを持ってて最近その人が亡くなったのです。工場長の親戚で頭が上がらない妻より、言う事にハイハイ従う妾の方がよっぽど良かったらしい。
そこで「困ってるだろうから金を出す、幾らが良いか」と言う甘い話の裏に私が彼の相手になって欲しい、と言う下心があった。
「別の家の購入資金を援助するから時々遊びに行きたい」と言われて仰天してしまったのです。世間知らずだと思ってたのでしょうか?

さらっと受け流せれば良かったのに真剣になってしまった私。
バッカみたいですが、当の叔母にその事を打ち明けて「お願いだから何とかしてください!」と言ってしまったのです。
叔母は一言。
「若い人は良いわね!」(若いのは夫と私のことらしい)
でした。

その時叔母は85過ぎ叔父は81過ぎ私は64過ぎ、ちなみに母は叔母と同い年です。
若い人からみたらこんな年寄りがと、さぞかしおぞましい話でしょう。
私はどうにもならず、以後ずっと連絡はしてませんでした。



そして、2018年2月母が92歳で亡くなり、寂しい形ですが御葬式を上げ、全ての公的手続きが終わった後、母に縁のある人に連絡しました。
私が72歳になる年です。

一番近い血縁の叔母に電話連絡した時、全然知らない女性が受け取りました。
養女の方、でした。
さらに叔母夫婦は老人施設に居るそうです。


上の図を見ていただくと、両親が亡くなってかつ子供のいない人が亡くなった場合は兄弟にも遺産がいきます。
兄弟が亡くなってる場合はその子供も相続人になります。
非常に困った私は叔母の財産を当てにしていた訳です。
勿論叔母が亡くなった場合ですから、非常に不謹慎な話ですが。

ただし養女であろうと子供があった場合は兄弟に取り分はないのです。

そんな私の虫の良い発想を吹き飛ばすような養女の出現で、失礼ながら朴訥を装う赤の他人のその女性、どうも非常にスレた方のようです。
先祖のお墓の話をすると、「お墓は他人の私は関係無い」とおっしゃる。黙って電話を切らせてもらいました。

それから連絡しておりません。

世の中にはこんな話もあると言う事をお伝えしたくblogを作りました。
おどろおどろしい話で申し訳ありませんでした。


読んでいただき心から感謝いたします。

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