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読書の森

筈見恒夫『わがアメリカ映画史』

昨日、梅田へ行った目的の一つに古本探しがあります。阪急三番街に紀伊國屋があってその横に古書街があるのです^_^

昔の洋画のグラビア雑誌を探して入ったお店。
さすが場所柄、古き宝塚スターの写真雑誌が山積みされてました。狭い店内は私にとってダイヤモンドが混じってる宝庫でありますが、お目当ての本を探すのはかなり難しいです。

そして、、、新書版コーナーで見つけた『わがアメリカ映画史』❣️
いかにも古そう(有体に言えば汚い)、そして中身が読めないよう(立ち読み禁止です)セロハン紙で封をされてます。

それでも魅力的な、いにしえの本。
、、、買ってしまった880円。元の値段が180円でございます。
ただし、これは昭和31年2月に発行されたもの、67年前の古本です約10倍の値段です

戦前一世を風靡したチャップリンの初期映画。

戦前の大女優、マレーヌディトリッヒ主演の名画『モロッコ』。

上が『西武戦線異常なし』下が『街の風景』

いずれの映画も、背景に暗い厳しい戦争があるアメリカの人々の姿が描かれています。

本来、戦後出来た自由を謳歌するアメリカ映画のスターの載った雑誌を見たかったのですが、更に昔にタイムスリップする事になりました。

サイレント映画の時代から語り始める著者、現代で言えば映画オタク。1908年生まれの(つまり明治生まれ)大変な映画好きです。本人曰く「アメリカ映画への愛情がいつまでも続くように」と青春の夢と希望を映画に託した人です。

著述だけでなく映画会社に入ってアメリカが敵国であった時代を潜り抜けて、ずっと映画一途に活躍した人。昭和33年惜しくも他界されてます。

ちなみにこの本を出版した雄鶏社は向田邦子が在籍した会社で世界金融危機が起きた2009年自己破産してしまいました。
今はOBによって新会社が設立されてます。

有為転変は世の倣いですが。ただ筈見さんという方は、日本とアメリカの関係が一変した後もずうっとアメリカ映画への愛を貫いた方、こういう方を「バカ」とは絶対言えないと私は思います。

文化と政治は全く別ものですから。


古本屋さんオリジナルのブックカバー。これもクラシックで素敵です。

紙の文化は残しておきたいものですが、昔の本の活字はあまりにも小さく薄く、婆の目で内容がよく分からなくなってしまった。

本も歳とっちゃたけど私も歳とってしまったのです、嗚呼。


これも梅田(大阪)駅構内に入るのかしら。
飲食店の横丁、ここにも古き Americanが活きてました。

読んでいただき心から感謝いたします。

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