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読書の森

恩田睦と向田邦子、そして林芙美子の共通点

被災地にも容赦なく厳しい寒さが襲い、被災者の方々はご苦労が多い事と存じます。生きていればこそのものだねでございます。どうかご無事でいてくださいませ!

こんな窮乏時に戦争でも襲いかかったら、踏んだり蹴ったりです。
その火種となりかねない、台中関係、日本人にとっても気がかりだった台湾総統選も終わり、現状維持という事で一安心となりました。

本日は、世知辛い世間と全く関係ないお話です。自分の好きな女流作家の生い立ちを調べて、気付いた共通点をお話します。


作品の個性は全く異なりますが、恩田睦、向田邦子、林芙美子各氏の共通点とは「子ども時代の転居の回数が非常に多い」という事です。

『六番目の小夜子』は魅力的な転校生を中心とした話ですが、恩田睦も非常に転校の数が多い方です。お父様の仕事の関係です。
彼女は、青森市で生まれ、名古屋市、松本市、富山市、秋田市、仙台市、水戸市と転校してます。

今の作家さんの中でも、独特のミステリアスな個性があって好きです。

向田邦子は東京都世田谷区生まれですが、小学校を4回変わり、子供時代の家族の転居が9回あります。
世田谷から宇都宮、目黒区中目黒、下目黒、鹿児島市、高松市、又中目黒、麻布、杉並区、まあ旅役者でもあるまいし(古い例え!)よくも目まぐるしく変わったものだと思いますが、お父様の仕事は同じで、転勤族だったのです。真面目で頑固な努力家で昔気質の方だったらしいですね。それに非常に家族思いの人情家だったとか。

重なる転勤によって家族の絆は堅くなったと言います。

林芙美子は『放浪記』の「私は故郷を持たない」という言葉で象徴されるように、各地を転々とする子供時代を送りました。
何より特徴的なのは、実母が商家を営む実夫の浮気が元で、芙美子を連れて20歳年下の使用人と駆け落ちした、というドラマになりそうな経歴の方だった事ですね。

その義父は人が良いだけの人で行商をしてその日暮らしだったそうです。それでも上昇志向の強い芙美子は尾道の女学校をきっちり卒業してます。当時女学校を出るというのは上流の子女のステータスだったけど経済的にも大変だったと思います。

下関で生まれ、北九州、山陽を数限りなく転々、そして尾道で定住という少女時代です。
この人の初期の作品は何もそこまでと思うほど赤裸々な告白になってます。ただしこの中にもよく出来た虚構があるとか?作家とはお話作りが死ぬ程好きな人種みたいですよ。



林芙美子も向田邦子も恩田睦も有名になってからも、非常に旅がお好きなようです。私めもそうですが無意識のうちに人生は流転という行動様式を持ってはないか?と勝手に思ってしまうのです。
転校生にとって新しい友人環境は非常に馴染み難いですが、コツさえ覚えれば溶け込む事が出来る、そういうタイプじゃないかと思います。
そして「会うは別れの初め」を文字通り体験されたとも。

無常の世の中、出会いと別れ、を繰り返す人生ですが。
親しい人の体調不良のニュースを知る度に、ひどく寂しい思いになります。
年齢と共に故障が起きるのも常ですが、温度差の激しい昨今、どうかくれぐれもお身体にお気をつけ下さいね。





読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

コメント一覧

airport_2014
コメントありがとうございます。本日のblogの内容に心から共感しました。これからも頑張ってくださいね。
多摩爺
フォローしていただきありがとうございました。
爺さんがぼやく拙いブログですが、笑ってやっていただけたら幸甚です。
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