6月の晴れた日曜日、英美はウキウキと身支度を整え、出かける用意をした。
綺麗にお化粧して、金のイヤリングをつける。
青いスーツは新品のようだ。
「あなた、ちょっと出かけてきます。お昼は冷凍庫にピザ入ってるから食べてくれる」
久人は大分着古した自分の背広を思う。
亭主にボロ着せて、自分は贅沢な服装をする女だ。
いつものイライラが爆発した。
「ふうん、おしゃれして。何か?浩太って男とデートか?」
「何言うのよ。あなた。浩太なんて」
英美は青ざめた。
「お前の携帯に同窓会の写真が載ってた。嬉しそうに男と肩寄せやがって。
あのトンボみたいな、にやけた男が浩太か?」
「何よ、トンボって」
「トンボみたいに細くって中身がないって事」
英美の目が釣り上がった。
「望月浩太さんは優秀な人です。
自分で起業して30代で社長になったの。
私たちとても仲良しだったけど、若過ぎて一緒になれなかった」
「だからと言って不倫出来るのか?」
「私の携帯を見るなんて。あなた、最低ね!私たちそんな仲じゃないの。
あなたと違って望月さんは中身のある人よ」
読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️
最新の画像もっと見る
最近の「創作」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事