読書の森

殺したい人 その9



英美の顔は、よそよそしく、冷たくなった。

「焦ってあなたみたいな人と結婚したのが失敗だったわね」

「何!」

「そうよ。入りたての私を騙して。
あなたみたいに無能で面白くない男って滅多にないよ。
優しそうにするから、ついその気になっただけ!」

目が眩む様な怒りが久人を襲った。
「殺してやる」
言ったか言わないか、彼はそばの花瓶を持ち、憎たらしい女の頭に思い切り叩き付けた。

読んでいただき心から感謝いたします。

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