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読書の森

千里の本屋さん の思い出の一冊

大阪(府)は多種多様な要素を含む、よく言えば懐の深〜い街、悪く言えばいい加減な部分があってその分自由な街です。こんな事言うと「もう二度と入れてあげない」と言われるか言われないか?そこは分かりません。









比較的ハイソな階級(大会社の転勤族など)の多い吹田市も場所によって個性がありました。

ここら辺でよく見かける大きな本屋さんと言えば「田村書店」。
神田神保町の伝統的本屋さんを母体として全国チェーンで展開してますが、どちらかと言えば店主さんに昔気質の方が多いのが特徴です。

さて、2022年関西在住の際にJR千里丘駅構内の田村書店で見つけた最高の一冊は?

『新潮文庫の100冊 2022年版』なのです。
今や出版社はひとまとめにして見られてますが、かってはそれぞれ個性的で、私としては新潮文庫が一番オーソドックスな感じがあります。
ですから新潮文庫さんの薦める一冊って、安心出来るかな?と思ってた。

ただしこれは私のmoratoriaの時代で(1970年代)、今はあっと驚くお薦め本がいっぱいありました❣️








歳とって情けなくも長編読む(書く)体力気力が衰えた私、この薄い冊子が物凄く意匠を凝らした面白い読み物に思えたのです。

おそらく編集者の苦心の一冊なのでしょうが、無料なのが勿体無いような面白い内容です。


お薦め本の中で一番懐かしい本が沢木耕太郎の『深夜特急』です。

50代にして図書館でこの本を読んでから、私に20歳にして中断した「流離の想い」が蘇ってしまいました。

「早く、できるだけ早く、ここから出て行かなければならない」

この一節は沢木耕太郎が旅の疲れと周りの雰囲気に包まれ某国の安宿(カプセルホテルよりマシな程度)の汗臭い匂いの中でゴロゴロしていた時、起き上がって決心した言葉です。
この方、非日常や冒険を通常人の100倍位好きみたいです。まさに団塊世代そのもののサラリーマンになりながら大会社初出勤当日に辞表を書いたという破天荒な人です。

ロマンへの憧れ、流離の想いを内に秘めた人は何人もいらっしゃるでしょうが、これを見事に実現してかつ成功した人はごく僅かだと思います。
かなりのイケメンで、素敵❣️と思ってた。実はコッソリチャッカリ何処かでいつ頃か家庭をお持ちになって立派な娘さんもいらっしゃるそうでございますよ。



それにしても、あまりに近くなった地球各国、ままにならない戦争の終結、の最中に「セピア色した流離」を読書で味わってみるのも良いかも知れません。


読んでいただき心から感謝いたします。

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