一方で、たかを括っていた本が、意外と凄い内容だった事も分かりました。
それが『グリム童話Ⅱ』です♪
グリム童話は「本当は怖い」と言われる様に、代表作『白雪姫』を読んでも、殺人、嫉妬、我欲、差別など、人生の真実の残酷な一面を垣間見せます。
実はグリム童話とは、道徳的教訓以上に自然と共に生きた人々の心を伝える昔話をグリム兄弟が集めて作り直したものだそうです。
つまり「教化されない人びとの文学」なのだそうです。
それでも、全編を流れるロマンチックさ、情感はグリム兄弟の読者に対する愛情の表れなのでしょうか?
改めて内容を見直す思いです。
この中で今日的なテーマを秘めた2作を紹介します( ◠‿◠ )
『ブレーメンの音楽隊』
老いぼれて、使いものにならず、人間に殺されそうになった動物たち(ロバ、犬、ネコ、オンドリ)の痛快な冒険談です。
彼らは老いても一致団結して知恵を絞って、悪者を追い出し安住する家を獲得しました。
老人が知恵を絞って団結して生きねばならぬ厳しい世の中は、今も昔も変わらないんですね^ ^
『ねことねずみがともにくらせば』
『ねことねずみがともにくらせば』
お人好しの鼠とちゃっかり者の猫の話です。
「ねずみを深く愛している」という優しげな猫の下心に気付く事なく、持ち金を出して一緒に住み始めた鼠。
二人で貯めた筈のお宝の食糧は、気がつくと猫が全部舐めちゃっていました。
事実をそのまま言い立てて抗議したねずみちゃんですが、哀れ最後に猫に一飲みされてしまいましたとさ。
びっくりする程にシビアな童話であります。
それにしても、グリム童話集には緑豊かな森を舞台にした作品が数多くあります。
私の人生最初に読んだ童話集がこのグリム童話です♪
多分読書というと、深い森を連想するのはグリム童話集の読書体験に基づいているのでしょうね。
幼い頃に読んだ本の影響力の強さについて考えさせられました。