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捜査した結果、その会社で由比に恋人がいた事が判明した。
名を戸田光と言う。
由比より三年先輩で、引き締まった身体を持ついい男だったとか。
二人の付き合いがどの程度か分からない。
ただ由比がその会社で交際していたのは彼一人だった。
そして、会社が傾く以前に突然由比が退職して二人の仲が終わったと言う。
御代田は下北沢の賃貸マンションに住む戸田の自宅を訪ねた。
出迎えたのは、スリムな美人だった。
都会的な容貌で、服装も垢抜けている。
「生憎主人は今留守ですのよ」
「失礼ですが奥様ですか?」
御代田が言わずもがなの事を言うと女はキツイ目つきになった。
予め調べたところによると戸籍上、戸田光は独身である。
何か訳があると思った。
「刑事さんが戸田にご用とは、何か戸田が疑われる様な事があったのですか?」
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「たいした事じゃ有りません。参考までにお聞きしたい事があって」
「何の参考ですか?」
「当麻由比さんという方が殺された件です」
「まあ怖い!」
女は大げさに声を上げた。
「当麻由比さんって主人の前の会社で一緒に勤めてた方じゃありませんか?
華奢で可愛い方」
「よくお判りですね」
「ええ社内旅行の写真を見せて貰ったのですが」
女はシラっとした表情で答えた。
御代田は目の前の女を凝視した。
そしてゆっくり言った。
「当麻由比さんは今でこそ痩せているが、その頃は寧ろふっくら人だった。
その写真が華奢と見える訳はない」
「奥さん、もっとお聞きしたい事があるので署にご同行願いたいのですが」
咄嗟に逃げようとする女を御代田はガッチリと抑えた。