bon voyage!

ボディボーダー・ママののんびりオーストラリアライフ

timido chica

2004-08-12 | Weblog
私の昔からの悩み。

それは人見知りであること。

これは誰に言っても笑われ、信じてもらえないのだが
私の中ではかなり深刻な悩みだ。
かに座だからだろうか、私はすぐ自分の殻の中に逃げたくなり、
なかなか他人との間の壁を壊せない。

そんな弱みを克服したい!という思いもあって、
一年間のオーストラリア行きを決意した。
オーストラリアの広大の自然の中でイルカと泳げば、
心が癒され、自信を持って人と接することができると思った。

結果から言えば、この目標は達成した。
しかし、イルカだけの力では成し遂げることはできなかった。
良くイルカと泳いだ日を境に人生観が変わった!とか聞くが、
私の場合そんな即効性はなく、確かに心の栄養にはなったけれど、
結局の所は、地道に色々な人と接し、心を開く訓練をすることが必要だった。

その訓練所となったのが、以前の書き込みでも紹介した、バイロンベイ。
ワーホリ折り返し地点の半年目、私はこの町に住むことにした。
そして、ここでの出会いの数々によって私はものすごく心を潤され、
人生を楽しむ術を教わった気がする。

バイロンはオーストラリアでも有名なヒッピーの聖地で、
世界中から愛と平和を愛する人たちが集まっていた。
普通の社会の基準からは完全に外れているけれど、
なんとも自然で美しい生き方をしている人が大勢いた。
癒しの聖地なだけに、元アル中、薬中、社会から疎外されている
アボリジニなども、安らぎを求めバイロンに住みつくのも事実。
でも、どんな過去のある人でも、皆本当に優しく、寂しく、
儚くも強い人間であることが伝わってきた。
日本だったら絶対目を合わせないようなホームレスのおじさんでも、
バイロンにいると普通に笑顔を交わせるような… 
そんな魔法がこの町にはあった。

そんな不思議な町で、私は内心怖くても、
無理して色々な人と話すように自分を仕向けた。
最初はすぐ居心地が悪くなって終わらせてしまった会話も、
だんだん慣れてきたら自信がつき、ものすごく快感にすらなってきた。
絶対この人とは話すことが無いだろうなぁ…と思うような人でも、
話してみると意外な共通点があって超盛り上がったり、
未知の世界観を教えてくれるナビゲータとなったり。

そんな出会いを繰り返すうちに、私はすっかり旅と、
旅がもたらす出会いの素晴らしさにハマっていた。

不思議なもので日本で暮らしていると、
知らない人と話す機会が少ないせいか、
せっかく開いた心の扉がどんどん閉まっていくのを感じる。
どうしたものだろうか…
危機感を感じた私は最近、英会話講師という職に就いた。
毎日何人もの初対面の人との会話を
リードしていかなければいけないこの仕事は、
ある意味ものすごくキツイけれど、
旅をするのと同じような爽快感を与えてくれるのも事実だ。

昔は大嫌いだった自分の弱点がきっかけで出会えた
オーストラリアと、講師という仕事。
弱みを強みに変える、そんな進学塾のキャッチコピーみたいな
発想が芽生えつつある今日この頃である。

photo: byron bay, australia