心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

北アルプス 鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳(3) 冷池山荘からのご来光

2019年08月20日 | 北アルプス


鹿島槍ヶ岳(2,889m)・爺ヶ岳(2,670m) (つづき)


 1日目の宿泊地、冷池山荘に着いたのは夕方5時の少し前でした。
 6時からの夕食は品数が多くておいしかったです。ご飯とは別に、冷たいお蕎麦が出ました。尾瀬の山小屋で食べたお蕎麦を思い出しました。同じテーブルの人は皆、まず蕎麦から食べていました。
 冷池山荘は、夕食の後ひと息つける場所があり、ゆったりできる小屋でした。談話室の図書も充実していました。
 夜の11時を過ぎようとする頃、小屋の外に出て空を見上げました。満月に近い月が出ていました。あまりにも明る過ぎて、星は何も見えませんでした。
 しかしその月光が、小屋の北側に聳える山を真っ白に照らしていました。鹿島槍ヶ岳にまぎれもありません。残念ながら写真にはおさめられませんでしたが、真夜中なのに山がはっきり見えるという、初めて経験する夜の景色でした。
 これで、明日は素晴らしい天気になると確信しました。暑い中登ってきて本当によかったと思いました。
 3年前の夏休みは、鹿島槍と同じ後立山連峰の五竜山荘で過ごしました。その夜は、9時前から星空と国際宇宙ステーションの観察会がありました。本当に星屑が散りばめられたように美しい星空を満喫したのですが、持ってきたすべての防寒具を着たにもかかわらず、寒さとの闘いに敗れ、30分で部屋へ戻ったのでした。
 今日は、星空は見えませんが、美しい月明りと山が見える夜でした。山の夜が少しも寒くないというのはまったく不思議だと思いました。


 翌日は朝4時過ぎに起きました。ここで夜明けを迎えてから、山頂に向かって出発することにしました。
 眩しいほど明るかった月は沈み、東の方にオリオン座を見ることができました。
 眼下は見事な雲海でした。小さな沼のような雲海のすき間が、数分であっという間に大きくなっていきます。まるで、何でもない湖が琵琶湖に変わっていくようです。琵琶湖の形に本当に似ていました。
 空が明るくなっていき、5時過ぎに日の出となりました。太陽が上がってくる場所に連なる山は、志賀高原のあたりでしょうか?北の方には、妙高・火打も見えます。
 太陽の形ははっきりしておらず、穏やかなご来光でした。
 昨晩、月光に照らされた鹿島槍を見た時に、今日は晴天になるだろうと考えて安心したので、ご来光が劇的ではなく予定調和的に見えたのだろうと思いました。



 (登頂:2019年8月中旬) (つづく)



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