心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

南アルプスの三千メートル峰をめぐる(14)

2017年01月17日 | 中央アルプス・南アルプス


千枚岳(2,880m)・悪沢岳(3,141m)・赤石岳(3,121m)・聖岳(3,013m)
(つづき)


 やや急な坂を下り、再び沢の音が聴こえてくると、4日間で一番立派な吊り橋が現れました。
 感触を確かめながら渡り、その後はしばらく斜面をトラバースするように進み、最後にもう一度急な坂を下ると、予約していた送迎バスの乗り場に出ました。
 バスの発車を待つ人が30人ほどいたと思います。「山ぶどう」の実をごちそうになりました。
 身体はヘトヘト、甘酸っぱさが身に沁みます。



 北アルプスに登ると、3,000m級も2,000級も、数えきれないほど多くの山々の眺望を楽しめます。反対に南アルプスの主役ははっきりしていました。何といっても「悪沢岳」「赤石岳」「聖岳」、あと印象に残ったのは富士山、塩見岳、御嶽山でした。6座しかありませんが、全部が3,000mを超える高さの山。高いだけでなく、大きな山ばかりでした。高くて大きな山をずっと眺め続けながら、山歩きにどっぷりつかりました。
 ずっと行きたかった「南アルプスの南部」ですが、遂に登って、自分にとっての空白地帯がひとつなくなってしまったと思うと少し寂しい感じもしました。
 送迎のマイクロバスは、ガタガタする悪路をひたすら走り続けました。道路には、時にとんでもない落石があって、運転手さんはそれらを一つ一つ手で除けていきました。車体を直撃したらひとたまりもないだろうという大きさです。歩きは終わっても、南アルプスはまだ終わった気がしませんでした。


 バスの終点は「白樺荘」で、すべっとする最高の温泉でした。4日ぶりの風呂の有難さが身に沁みます。露天風呂につかっていると、雨が降ってきました。4日間、歩いている間に雨は一度も降りませんでした。運がよかったと思いました。

 (登頂:2016年9月上旬) (つづく) 



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