心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

南アルプスの三千メートル峰をめぐる(15) トロッコ列車で山を下る

2017年01月20日 | 中央アルプス・南アルプス


千枚岳(2,880m)・悪沢岳(3,141m)・赤石岳(3,121m)・聖岳(3,013m)
(つづき)


 白樺荘から大井川鐡道の接岨峡温泉駅まで、タクシーで移動しました。本当は始発の井川駅から乗りたいところですが、井川~接岨峡温泉の間は災害で2014年9月から不通になっているのです。
 タクシーの運賃は定額制だったため、途中で「井川大橋」という吊り橋を往復したり、茶店でおでんをごちそうになったりと、楽しい移動でした。吊り橋といっても瀬戸大橋のような壮大なものではなく、ギリギリ車1台分の幅しかないものでしたが、見た目よりは安定していました。
 不通区間は、もうほとんど復旧は終わっているのになかなか再開しないと、運転手さんもおでん屋のおばさんもとても残念がっていました。紅葉の時期には再開しないだろうかと話していました(結局2017年3月11日より再開)。



 接岨峡温泉は昭和52年に開湯されたという、新しい温泉です。一度このトロッコ列車に乗りに来たとき、途中下車して温泉につかったことがあります。重曹の温泉です。
 今日は2時間前まで白樺荘の温泉につかっていたばかりなので、こちらには入りませんでした。
 列車の乗客はほとんど全員観光客でしょう。片道だけ乗るという人も少なそうです。しかし自分は、「登山の帰り」という用事(?)があって乗っています。
 車体のサイズは小さいですが、線路の幅は広い(JRの在来線と同じ)です。客車のドアはすべて手動です。
 このトロッコ列車は文句なしに楽しいです。景色も楽しいし音も楽しいです。乗りたくなれば用がなくても来ますが、こんな場所に用があったらいいなとも思います。万が一、仕事で来ることでもあれば最高です。普段着で乗っても楽しいですが、スーツを着て乗っても楽しいでしょう。
 誰かトロッコ列車の沿線に用事を作ってくれないでしょうか??


 トロッコ列車の終点・千頭駅には、大井川鐡道名物のSLが2両待機していました。両方とも「きかんしゃトーマス」の格好をしています。僕なんかは、せっかく本物のSLがこんな格好になって‥‥と思ってしまいますが、子供ならず大人も大喜びのようです。先ほどのタクシーの運転手さんのお話では、きかんしゃトーマスの”本物”だ!と言って、喜ぶのだそうです。

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【南アルプスの3,000m峰を縦走~悪沢岳・赤石岳・聖岳】
(1日目)椹島ロッヂ9:28→蕨段14:09→駒鳥池15:43→千枚小屋16:48
(2日目)千枚小屋5:25→千枚岳6:36~6:46→悪沢岳頂上8:52~9:03→荒川中岳10:14→荒川前岳10:33→荒川小屋11:40~12:18→大聖寺平13:04→赤石岳頂上15:19→百間洞山の家17:28
(3日目)百間洞山の家6:09→中盛丸山7:50→兎岳9:47→聖岳頂上13:00→奥聖岳13:25→聖平小屋16:00
(4日目)聖平小屋5:09→聖沢吊橋8:27→聖岳登山口9:47

 ※感動を約束された南アルプス南部の大縦走です。「山と高原地図」にはいくつか「危」マークが付いていますが、危険な箇所はありませんでした。ただし唯一あるとすれば、兎岳と聖岳の鞍部から聖岳に向かって急坂を登り始めるところです。最初どこに向かえばよいのかが分かりづらいのと、大きな岩がガラガラしていて、隙間に登山靴がはまってしまいそうになりました。鎖を使ってよじ登らなければいけない場所は1つもありません。
 コースを通してアップダウンが多く、特に大聖寺平から赤石岳への登り返し、聖岳への急登が大変でした。千枚小屋~百間洞を2日に分けて歩き、4泊5日にすれば楽になると思います。このコースを反対に、先に聖岳から登る時計回りもあり得ますが、小聖岳から聖岳までが急登で、しかも長い(聖平小屋の標高が低いため)ので、悪沢・赤石・聖の順番に歩く反時計回りコースの方が楽でしょう。千枚岳や悪沢岳から富士山の眺望を堪能するには、早朝の方がいいということもあります。
 聖岳登山口から白樺荘へのバスは井川観光協会が運行しています。聖平小屋で予約することができました。
 (体力●●●●○ 技術●●●○○) (登頂:2016年9月上旬)



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