常念岳(2,857m)・蝶ヶ岳(2,677m) ((6)のつづき)
「~ 4月初旬から6月にかけて安曇野から見ると、蝶ヶ岳ヒュッテの南の雪形が羽根をひろげて空を飛ぶチョウの形に似ていることから、蝶ヶ岳と呼ばれる。 ~」
(『角川日本地名大辞典20 長野県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会 竹内理三編(角川書店))
常念岳から見下ろした蝶ヶ岳はとてもなだらかですが、あの場所が頂上だとはっきりわかる山でもあります。
「羽根をひろげて空を飛ぶチョウの形」の雪形を、安曇野から眺めたことはありませんが、蝶が飛んでいるのがとても似合う形の山です。
その蝶ヶ岳は、近づいてみると想像していたより複雑な地形で、頂上には立派な木の標識が立っていますが、本当にここが頂上なのかな(他にここより標高の高い地点があるのでは?)と思います。
蝶ヶ岳の三角点(三等三角点)は、頂上からは離れて、「蝶槍」の近くにあります。明治39年に観測された点の記には、「傾斜急峻ニシテ」(国土地理院・基準点成果等閲覧サービス)と書かれていましたが、頂上の雰囲気はそれとは全く逆でした。
蝶ヶ岳ヒュッテのすぐそばには、黄色やオレンジなど色とりどりのテントの花が咲いています。
何といっても素晴らしいのは槍・穂高で、奥穂高岳・涸沢岳・北穂高岳のピークが等間隔に並んでいます。槍ヶ岳へ続く槍沢が微妙な曲線を描き、涸沢カールや、南岳と北穂高岳をつなぐ大キレットが、立体的に見えます。涸沢カール・奥穂高岳・北穂高岳を結べば、きれいな正三角形になります。
北アルプスの山でも、蝶ヶ岳はとても開放的な頂上です。近くには蝶ヶ岳より高い山がたくさんあり、逆に低い山(焼岳)もあります。いろいろと条件の揃った結果が、この個性的な眺望だという気がします。
1時間ほど頂上に滞在した後、三股へ向かって下りました。下る途中には、常念岳をのぞめるポイントがいくつもありました。
下山途中、まめうち平の下に「ゴジラみたいな木」がありました。
歯型が石で表現されているのが面白いです。
◆◆◆◆◆
【北アルプス・常念岳から蝶ヶ岳への縦走】
(1日目)一の沢登山口11:01→笠原沢13:03→胸突八丁13:46→「最終水場」の標識14:16→常念小屋15:11
(2日目)常念小屋5:51→常念岳7:27~7:37→蝶槍11:13→蝶ヶ岳・蝶ヶ岳ヒュッテ11:54~12:49→まめうち平15:04→「ゴジラみたいな木」15:50→三股(林道のゲート)16:36
※開放的な眺望を楽しめるルートです。胸突八丁から常念小屋にかけて急な登りがありますが、危ないところはなく、鎖をよじ登るところもありません。先に常念岳のピークに立ち、後で蝶ヶ岳に登る方が、豪快な縦走の醍醐味がある気がします。その縦走路は思っていたよりも長く、時間がかかりました。
(体力●●●●○ 技術●●●○○) (登頂:2013年7月中旬)
2 コメント
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- ありがとうございます (Alpenjapan)
- 2021-06-18 00:18:56
- 浅間山 明鏡止水 さま 有難うございます。ブログの、上田城や高遠城址の写真と記事興味深く拝見しました。来年はぜひ高遠の桜を見に出かけたいです。
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- 浅間山明鏡止水です (knsw0805)
- 2021-06-16 05:21:52
- おはようございます。ご訪問ありがとうございます。ブログコンセプトが素晴らしいです。フォローボタン、いいねボタン押させて頂きました。今後ともよろしくお願いします。
- 返信する
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