雲取山(2,017m)・七ツ石山(1,757m)・鷹ノ巣山(1,737m) ((5)のつづき)
「 七ツ石山とは、七つの岩が一列に立ち並び、雑木林の中に静かに横たわっているところから付けられた山名だという。木や草が伸びて、夏など見落としてしまうこともあるが、登り下りの時など私はよく岩を数えたものだ。数え方によってはいくつにもなるが、七つ石という名があるのだから七つでいいのだろう。 」
(新井信太郎『雲取山に生きる ランプとともに30年余の山暮し』(実業之日本社))
雲取山からおよそ1時間半で七ツ石山です。
「七つの岩」のことは、歩いていても分かりませんでした。後で写真を見返しても、やはり分かりませんでした。
「数え方によってはいくつにもなる」というのは、雲取山や七ツ石山からさほど離れていない両神山のギザギザを数えるのに、(山の見た目は全く違いますが)似ているものがあると思います。
七ツ石山の頂上は穏やかで、標識と三角点がなければそのまま通り過ぎてしまったかもしれません。そこには大小の石が、7つどころか無数に散らばっていました。
振り返ると雲取山が見え、ここまで通じる闊達な雰囲気の登山道が、手に取るように分かります。雲取山だけでなく、この景色すべてが素晴らしいと思います。
辺りの森は東京都の水源林です。石尾根を東へ、鷹ノ巣山へと向かいます。
上空に飛行機雲が見えます。見ていると、ほとんど動きがありません。とても短い飛行機雲です。飛行機雲が短い時は天気が良い時といいます。
(登頂:2012年11月上旬) (つづく)