心が満ちる山歩き

美しい自然と、山に登れる健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山・街歩き・温泉・クラシック音楽‥‥

東京都で最も高い山へ 雲取山と石尾根縦走路の山々(2)

2020年03月15日 | 奥多摩・高尾・陣馬


雲取山(2,017m)・七ツ石山(1,757m)・鷹ノ巣山(1,737m) (つづき)


 標高1,500mを過ぎ、七ツ石山の頂上へ向かう道と、巻道の分岐点が現れます。
 何となく楽そうな、巻道の方を選んで先に進みます。
 今日は、このあたりの紅葉が最も美しかったです。鮮やかな紅葉と控え目な紅葉と紅葉しない葉とが入り混じり、まるで掛軸に描かれた墨絵が突然カラーに変わったかのようです。
 登山口の鴨沢バス停から2時間少しの登りで、季節が一気に20日は進みました。樹の切れ間からは、飛龍山が立派な姿を見せています。
 巻道が終わり、石尾根縦走路に入りました。ここまで来ると、紅葉は最盛期を過ぎて、冬に向かおうとしています。
 鴨沢から雲取山まで、標高差が1,400m以上ある登山路では、登るにつれて季節も変化します。
 「雲取山ヘリポート」が現れました。丸く切った木が、きれいに円形に並べられています。奥多摩では最も古く、昭和41年にヘリポートとして指定されたといいます。さらに少し進むと奥多摩小屋があり、テントもいくつか張られていました。
 昔ながらの山小屋という雰囲気だった奥多摩小屋は、老朽化のため2019年に閉鎖されました。
 今日は前半飛ばし過ぎて、石尾根に入ってからペースが上がりませんでした。山頂に着いたのは昼の3時過ぎでした。奥多摩小屋よりも立派そうな、避難小屋が建っています。
 残念ながら雲が出て、午前中より天気は悪くなっていました。富士山も見えません。
 しかし、東京都に住んでいるわけではないのに、初めて東京都の最高峰に立てたという充実感があります。東京都民でも、この場所に立ったことのある人は、そう多くないでしょう。


 「 三多摩が東京都に編入されて以来、この大首都はその一隅に二千米の高峰を持つ名誉を獲得した。あえて名誉という。煤煙とコンクリートの壁とネオンサインのみがいたずらにふえて行く東京都に、原生林に覆われた雲取山のあることは誇っていいだろう。忘れてならないことは、東京都民の生活の根源をなす水道は、この山の東面の大森林を水源地としていることである。 」(深田久弥『日本百名山』(新潮社版))





 (登頂:2012年11月上旬) (つづく)



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