高千穂峰(1,574m)
2017年のゴールデンウィークは、九州の山々へ出かけてきました。
最初に登ったのが高千穂峰です。この日は尾鈴山に登る予定で宮崎市に前泊していましたが、天気予報がとても良いので進路を変更することにしました。
霧島連峰は、3年前の3月に韓国岳へ登りました。とにかく風が強くて寒かったこと、山頂はすぐ横が崖になっていたこと、大浪池が見えたこと、下山後にすぐ温泉に入ったことしか覚えていません。そこで、天気のよかったこの日、第二の高峰・高千穂峰から、3年前に登った山をしっかり眺めてこようと思いました。
高千穂峰に登ると、霧島の山々が見渡せました。手前から中岳、次いで2011年に噴火した新燃岳、奥には最高峰の韓国岳が確かに見えました。どの山もなだらかで、大きな違いはないようでした。山肌が灰色なので噴火したばかりであることは分かりましたが、霧島がどんな山なのか、どんな火山なのかは分からないままでした。つかみどころのない山々という印象はそのまま残ったのです。
しかし、高千穂峰そのものはいい山だと思いました。槍ヶ岳ほどのとんがり帽子ではないものの、ピークは凛々しい形で、他の山と見紛うことはあり得ない鋭鋒でした。
登山道から見上げた荒涼とした山の姿も、1歩登るたびに登山靴が沈む砂地も、すべてが活火山らしい山でした。
同じ活火山でも、北海道の十勝岳のように全てを焼き尽くそうとするほどのエネルギーはなく、どこか慈悲深さを感じるところがユニークだと思います。
帰りのタクシーから登った山を眺めると、東には高千穂峰、西にはやや低い御鉢。並んだ姿は一対の立ち雛を想わせました。
(登頂:2017年5月初旬) (つづく)