心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

山と風景印 北海道の山々(4) 利尻山・ノシャップ岬・宗谷岬

2021年11月16日 | 風景印いろいろ



 (つづき) 稚内宝来郵便局の風景印、図柄は利尻山・ノシャップ岬・稚内灯台・ノシャップ寒流水族館です。
 宝来は「ほうらい」と読みます。縁起のいい地名だと思います。
 国際海峡である宗谷海峡を守る稚内灯台は、北海道一の高さを誇ります。
 宗谷岬は北緯45度31分・ノシャップ岬は北緯45度26分、宗谷岬と同じ稚内市のノシャップ岬は宗谷岬より少しだけ南にあります。初めてノシャップ岬へ来て、夕陽を眺めたのは17年前のことでした。地平線に沈んで円が半円になり、やがて消えるまであっという間でした。太陽が動くのはこんなに速いのかと思ったのが忘れられません。
 その後、日本最北の温泉「稚内温泉 童夢」に入り、今はなくなった夜行特急「利尻」の寝台車で札幌に向かいました。


 ノシャップ岬と利尻山


 日本最北の郵便局、宗谷岬郵便局の風景印です。宗谷岬からは、天気の良い日にはサハリン島が眺められますが、利尻山は見えません。岬の近くまで高く迫る宗谷丘陵が、利尻山の方角を隠しています。稚内駅から猿払村の鬼志別へ向かう、1日4往復(2021年11月現在)のバスもこの地を通ります。このバスには2回乗りましたが、どちらの日も宗谷岬を過ぎると乗客は自分だけになりました。オホーツク海沿いの何もない場所をひたすら走る、一番北海道らしい場所を走る路線バスだと思います。丘陵地帯にはエゾシカもいましたが、みなのんびりしていました。今は狩猟の時期でないことを、鹿も知っているのではないかということでした。


 稚内郵便局の風景印は、北防波堤ドームが図柄です。古代のギリシャ建築を思わせる、昭和11年に完成した防波堤は、宗谷丘陵と同じく北海道遺産に指定されています。戦前、稚泊連絡船の乗客はこのドームを通って乗船し、樺太へと向かいました。ドームを設計したのが土谷実氏です。

 「~ 土谷氏は、北大工学部の第一期生で、卒論のテーマも『コンクリートアーチ橋梁の設計』でしたから、上司もコンクリートのことなら彼に任せれば良いと考えたに違いありません。当初の直立5.5mの設計では波には勝てず、平尾所長が「庇をつける」ことを指示し、設計を任されたのです。
    驚いた土谷氏は母校の教授を訪れ相談したもののさっぱり目標が見えず、すっかり落ち込みながら稚内に帰ってきて紙にエンピツを走らせたところ、今日の北防波堤ドームの形になったといいます。後に、土谷氏は「おそらく大学時代に先輩から見せてもらった古代ギリシャの神殿の写真が潜在意識にあったかも知れません」と語っています。 ~」
 (稚内市ホームページ、「稚内観光情報 北防波堤ドーム物語」より)


 宗谷岬の周辺には、日本最北の郵便局のほかにも、食堂・学校・ガソリンスタンドなどいろいろな最北端があります。 (つづく) 



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