開聞岳(924m)
山岳誌で見かけるこの山の写真は、太平洋をバックに、左右きれいに稜線が立ち上がっているという構図が多いと思います。開聞岳は標高が低くても立派な山の典型です。深田久弥は「完璧な円錐形」(深田久弥『日本百名山』新潮社版)と賞賛しました。しかし、間近から見上げると、山頂の部分がボコッと浮き出ていて必ずしも左右対称ではありません。行ったことはありませんが、南アフリカのケープタウンにある「デビルズピーク」に似ていて、あれを少し押しつぶすと開聞岳の形に近くなる気がします。
開聞岳には春の初めに行ったものの、九合目で引き返すことになりました。雪が相当積もっていたからです。3月初旬の鹿児島なので、まったく予想していませんでした。麓では菜の花が咲いているのにです。聞いたところ、「今朝の6時から」わずかの時間で積もったものらしく、昨日まで雪はなかったそうです。
低山なのに麓と山頂の雰囲気のギャップがすごいです。JR指宿枕崎線の車窓から雪をかぶった開聞岳を見た時は驚きましたが、1日を終えて、この景色を眺めることができただけで満足することにしました。これこそ南国でなければ味わえない違和感です。
結局頂上には立てませんでしたが、前日に登った韓国岳よりこちらの方がずっと印象に残りました。一緒に登った奥さんもとても満足してくれました。
登山道から眺める長崎鼻の地形
登山道に雪が出現しました。この後もっと多くなり、アイゼンを持ってこなかったので引き返すことにしました。
無理をして登ったという人とも結構出会いましたが。
下りてきて、午後3時半過ぎの写真。朝に比べると雪は大分とけている様子。この後、「かいもん山麓ふれあい公園」のゴーカートで遊びました。
開聞駅近くで咲く菜の花。
味のある指宿市役所開聞庁舎の建物