山田太一さん 木下忠司さん

2009-01-08 23:20:15 | レビュー
 今日、山田太一さんの脚本による『ありふれた奇跡』を観た。
 山田さんの連続ドラマは『ふぞろいの林檎たちⅣ』以来12年ぶりだ。
 
 あいかわらずドラマの登場人物の長ゼリフはときにわずらわしかったり、青臭かったり。ストーリーは起伏がほとんどなく、淡々と出来事が展開していた。山田作品の連続ものの初回はいつもそんな思いをしながら(少々我慢しながら)観ている気がする。

 今回は自殺未遂の過去を持つ男女(加瀬亮、仲間由紀恵)の心と現実を描いているということなので、これからに期待し観ていこうかと...

 実は私は山田太一さんのファンでもある
 記念樹、泣いてたまるか、三人家族、二人の世界、木下恵介劇場、男たちの旅路、高原へいらっしゃい、それぞれの秋、岸辺のアルバム、沿線地図、あめりか物語、獅子の時代、思い出づくり、タクシーサンバ、ふぞろいの林檎たちシリーズ、深夜にようこそ、丘の上の向日葵、etc.

 記憶に残っているドラマを挙げただけでもこんなにある。
 「アマルさんていくつ?」って聞かれそうだけど、考えてみたら幼稚園のとき、小学生のときに観たドラマや主題歌が記憶にあり、それを後で調べてみたら脚本が山田太一さん。
 そして昭和30年代.40年代の山田作品の多くの主題歌<作詞・作曲>を手がけていたのが水戸黄門の主題歌「ああ人生に涙あり」で有名な木下忠司さん<木下恵介監督の実弟>だった。
 木下忠司さんは日本のニーノ・ロータといってもいいくらい日本人の叙情を旋律に乗せられる方で、この方も私は昔からファンなのです

 山田さんはドラマの世界観を表現するという意味で、昔から主題歌にはとても強いこだわりを持っている方ですね。
 今日のドラマもエンヤの選曲で、陣内孝則の最後のセリフ「もしかしてお二人とも死のうとした経験があるのじゃないかと..」に合わせてエンディングで流れ出した曲「ありふれた奇跡」は二人の心の闇の部分、心の葛藤を案じさせるようなメロディーラインになっておりドラマの世界と実にあっていた。

 古いところでは『岸辺のアルバム』ではジャニス・イアンの“Will you dance?”、『沿線地図』ではフランソワーズ・アルディの“もう森へなんか行かない”、『ふぞろいの林檎たち』ではサザン・オールスターズの“いとしのエリー"など、ほんとドラマの世界観と選曲のマッチングがすばらしい。
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 ああ、あのとき山田先生と握手したかった(サインももらえばよかった)。
 山田太一さんは現在74歳。今から20年以上前、地下鉄赤坂見附のプラットホーム内で私の30cm前を山田さんは黒い大きなバッグを肩から下げて一人歩いておられ、(TBSヘドラマの打ち合わせに行かれる所だったのだろう)上りのエスカレーターのところまでご一緒(たまたま同じ方向に歩いていただけです)したことがあった。
 「山田先生、ファンのアマルと申します。子どもの頃から先生の作品を拝見しています。是非握手をお願いします。こちらのノートにサインもお願いできませんでしょうか?」
 ズ~っと悔やんでいるアマルでしたぁ。

 
ふぞろいの林檎たち オープニング


『ふぞろいの林檎たち』 1983


岸辺のアルバム オープニング Will You Dance?


FRANCOISE HARDY(フランソワーズ・アルディ) もう森へなんか行かない





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