はじめての危ない体験...5

2005-12-15 10:50:10 | お遊び話
メニューには手書きで飲み物・軽食など おおざっぱな品書きが載っていた。

その値段を見て目を疑い
左の女の「支払い大丈夫?」という言葉で
これは現実だと絶句。

明らかにケタが違う。

ビール   ○○○£(ポンド)
ワイン   ○○○£(ポンド)
カクテル  ○○○£(ポンド)
サドイッチ ○○○£(ポンド)

のような品書き
(サービス料・テーブルチャージ込みと添え書きあり)
当時のレートは忘れてしまったが
左の女が今現在の飲み代を
早々とボーイにメモ書きで用意させ
「これくらいかかるけどいいい?」と確認してきたことと
その明細から、日本円に換算すると
ビール   75,000円×1杯
カクテル  90,000円×2杯
オードブル 80,000円×1皿
計:335,000円ほどになったことだけは正確に覚えている。
入店して10分ほどして提示された料金だ。
(どう思う?みなさん)

相手は私の顔色をうかがっていた。
その辺は若くても動物的な勘が私は働いた。

ストリートファイトやケンカは一度火がつくと
私自身も止められないような狂気な振る舞いをしていた10代
(渋谷109近くで大乱闘をして渋谷警察のお世話にもなったな~...渋谷界隈は私服刑事が夜間はいっぱいいることが取り押さえられてはじめってわかった。幸い前科はつかなかったけど)
柔道は子供の頃から猛者たちと、空手は18から
特に空手は外国人との組み手を多くしていたので
「万一の時はやってやろうじゃね~か」と心の中に決めつつ
外見は動じる姿を見せないようにした。

(もうとうこんな法外な料金は払うつもりはないので、店からどうやったらトンずらできるかをすぐに考え出した。しばしこいつらを欺く演技をせねばなるまいと...)
「えッ、ちょっと高いんじゃない? ちょっと安くしてよ~ッ」
「No!」(首を振られた)
「今こんなに金持ってないぜ! 払うとすればカードだけど使える?」
「いいわよ!」
「でも今日はこんなに使う予定じゃなかったから、ホテルに置いてきちゃったよ」
「どこのホテルに泊まってるの?」
(んッ、こいつら何を聞き出そうってんだ?まずいことになるかな?と察知したので
以前宿泊したことのある別のホテル名を伝えた)
「***ホテルだけど」
「じゃ、うちのボーイさんが宿泊確認させてもらうわ!」
「でッ、うちのモノがあなたと一緒にホテルへ行くので、そこでカード精算させてくれる?」ときた
「別にいいけどぉ~」
(私は嘘を悟られまいと意に介さない演技をした)

そして左の女がボーイに私の宿泊先を(私の名前も含めて)伝え
電話で本当に宿泊しているかどうかを確認にやらせた。
映写室を改造してバーカウンターが館内入り口近くの最後部に作られていて 
その中にボーイが戻っていきホテルの番号を調べだした
(ちょっとやばそうな空気になってきた)
そこで他の男たちの配置(居場所)をつぶさに確認すると
皆バーカウンター内にいて、出入り口付近には誰もいなかった。
「今だッ!」と判断した)
左右に座る女たちにトイレはどこか聞いた。
出入口と正反対のところに位置し、バーカウンター横に入口があった。

そこで怪しい動きを悟られないようにゆっくり立ち上がった。
中央通路をゆっくりのぼり
バーカウンターの前まで来た そのとき

瞬時に出口の方向へ体の向きを変え猛ダッシュ
重いドアを全身で体当たりし蹴破るように開け
もう一つある木製の観音開きのドアも体当たりして外へ飛び出した。
(入り口にいた呼び込みの女の子たちは既にいなかった)
館内から外へ飛び出すタイムは恐らく0.5秒ぐらいだろう。
その意表をつく素早さでは 恐らく誰も捕まえることはできなかったと思う。

外へ飛び出した私は、バーからの追っ手を攪乱し遮るため
ソーホー街の入り組んだ路地を見つけながら
必死で逃げた。
(私は20歳頃は100mを11.1秒で走っていたので、普通の男じゃ追いつけない。追いつかれた場合は、一番近づいたヤツからたたきのめすつもりでいた。しかし、ここで英国人をかたわにでもしたら、傷害罪で指名手配され、逃げても宿泊先のホテルですぐ足が着く、捕まれば日本領事館へ連絡が行くわ、へたすりゃ会社を解雇になる。また、パスポートは世界中の出入国審査におけるブラックリスト<危険人物・傷害歴ありなど>に登録・配信され、世界中へ渡航ができなくなるなどの思いが頭をよぎり、必死で逃げていた)
ソーホー地区から離れ、後ろを警戒しながら
その日は宿泊先のホテルへ戻った。
ホテルを家捜ししにくるのではと考えたが、ぼったくりバーでは「偽名・偽宿泊ホテル」を伝えたのでそれ以上の追っ手(トラブル)はなかった。

そして、この体験以降、海外でのいかがわしき飲み屋においては 店主やマネージャーをまず捕まえて、店のシステム・料金を確認してから店に入る癖がついた。
(当たり前のことなのに...恐いモノ知らずのあの若さが今では懐かしい)
...ロンドン(ソーホー)は、私にとって忘れられない苦い思い出の地となった。

(「はじめての危ない体験...4」で投稿した、ソーホー地区を歩いていると、突然若い男が飛び出してくる話、あれは私と同じ「ぼったくりバー」に知らずに入ったバカな男たちであった...どおりで客がいないわけだよ。呼び込みの女の子のいる店は要注意だぞ!「間違いない!」)





































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